<この体験記を書いた人>
ペンネーム:Ketch
性別:女
年齢:56
プロフィール:海外在住25年、バツイチ独り者。人生の失敗の数々を回収すべく奮闘中です!
2020年秋のことでした。
56歳ってまだまだ尿漏れを心配する年齢ではないよな~、なんて高をくくっておりました。
TVの尿漏れパッドのコマーシャルに、私より若いタレントさんが出てるのを見るたび、そんな若い時期から症状って出るんだろうか、と違和感があったほどです。
でも、やっぱりなんとなく、我慢できる時間が短くなったような気はしていました。
でも、もともと子どもの頃からトイレは近い方だったので、自分の体の変化をちゃんと認めようとしていませんでした。
仕事帰りに仲間とワインを空け、ちょっといい気分で歩いていた雨の降る30分ほどの帰り道、尿意を感じました。
ちょっとやばいかなあ、飲みすぎたかなあと思い始め、ひたすら早歩きで自宅に向かいました。
かなり雨足が激しくなってきてジーンズの裾もずぶぬれ。
思うように早く歩けないばかりか、しんしんと冷えてきてさらに我慢がきつくなってきた時、やっと自宅の前に到着!
よし、これなら大丈夫! と思いながらも下半身に緊張感を保ちつつ玄関前の植え込みにたどり着いたところで、それは突然に来てしまいました。
限界突破してしまったのです。
詳細をお話するのはとっても恥ずかしいのですが、ちょっと立ち止まって息を整えたら耐えられるかもしれない、そんな一瞬の抵抗もむなしく、決壊しました...。
ちょっとだけで抑えて、家に駆け込もうと思ったけれど、もう一歩も動けなかったのです...。
ラッキーだったのは横殴りのひどい雨の夜だったこと。
しばし雨に打たれたまま、全面降伏。
まるで夢を見てるような数10秒...。
雨に濡れたのだと自分に言い聞かせて、風呂場に駆け込みました。
シャワーを浴びながらちょっと泣いていたかもしれません。
「雨」に濡れたジーンズも靴も一緒にシャワーで洗ってしまいました。
そして思い出したのは、幼稚園時代の出来事。
お弁当を食べている時、トイレに行きたい、とすぐに先生に言い出せずに、食べ終わってから立ち上がった時にお漏らしをしてしまったのです。
その時、傍にいた先生が、わざとお茶を私めがけてこぼしたのです。
「あら、ごめんなさい、お茶をこぼしちゃったわ」
先生が機転をきかせ、私が恥ずかしい思いをしないで済むように配慮してくれたのです。
おかげで私はその後一度も友だちにからかわれずにすみました。
その時の感触をリアルに思い出すほどこの事件は衝撃でした。
でも、これが昼間だったら? 誰かと一緒にいる時だったら? 雨が降ってなかったら?
そう考えれば考えるほど冷や汗が止まりません...。
それ以来、ちょっとでも尿意を感じたらとりあえずトイレに行くようになりました。
対策として、尿道を支える筋肉を鍛える運動もあるようなのですが、なんだかまだ決心がつきません。
ううん、意地を張らずにこっそりやっておくべきかな...。
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