<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:59
プロフィール:ステイホームが続いていた時期は、1週間パジャマで過ごしたこともある不精なアラ還男です。
「はーい、ちょっと待ってくださいね」
休日に宅配便が届くと我が家は大騒ぎです。
「ちょっと、あなた出てよ」
「お前の方が近いだろ」
「そういう問題じゃないでしょ、男の人の方が誤魔化しやすいんだから...」
妻(56歳)とのひと悶着の末、ようやく玄関に立ちます。
「いやあ、お待たせしちゃって...」
あわててハンコを持って出ると、業者の方の視線が微妙に下に向きます。
「あ、えっと、ウジさん様宛で...」
手に持った荷物を受け取り、ハンコを押してそれをポケットに突っ込もうとして気付きました。
「ポケットがない...あちゃあ、下を忘れてた...」
そう、下半身はパジャマのままでした。
我が家には「休日はパジャマで過ごす」という暗黙のルールがあります。
不精なだけだろ、と思われるかもしれません。
もちろんそれもありますが、オンとオフの切り替えを目に見える形にするためだと思っています。
この点は妻も同じポリシーで、結果、子どもたちにも徹底してしまいました。
子どもたちは中高生になると部活で休日にも出かけることが多くなりました。
娘(現在26歳)は「今日は休みじゃないから」と朝から着替えるのですが、息子(現在24歳)は「休みはパジャマ」と徹底(?)していて、パジャマの上から制服を着て行きました。
「美術部は着替えしないし、ばれないよ」
なんていいながら出かけて行ったある日、「やばい」と言いながら帰ってきました。
その日は慌てて出て行ったので、いつもはパジャマに重ねるシャツを着ていかなかったためか、襟元からパジャマがはみ出していたようです。
しっかりSNSに画像を上げられ、しばらく話題の人だったようです。
それでもパジャマ部活はやめなかったのが彼のすごいところですが...。
私や妻も、ちょっと近くのスーパーに行く時は、パジャマの上にズボンやトレーナーを着て出かけてしまいます。
用を済ませて帰宅すると、着心地が悪いことも相まって、まるで火の点いているかのような勢いで服を脱ぎ捨て、パジャマでのリラックスタイムに戻ります。
家族でちょっと遠出をする時でも、出かける直前まではパジャマで過ごしていました。
出発予定時刻の10分前になると、我が家は戦場の趣きを呈し、てんやわんやで支度を済ませて出かけたものです。
今でも、お出かけを終えて帰宅すれば、すぐにパジャマにお着替えを済ませ、「オフ」に戻るのです。
冒頭のような突然の来客であたふたすることなどは数えきれないほどあります。
あまり褒められた習慣ではないことは重々承知していますし、決していいことばかりでないことも分かっています。
しかし、オフをオフとして満喫する快感のために、何となく守り続けている我が家の風習です。
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