<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地に住んでいる自営業の51歳。
78歳の母の事です。
母は2年ほど前から、化粧品やサプリの試供品をあれこれ貰っては楽しんでいます。
きっかけは、「新しくできたメーカーのショップにサンプルをもらいに行かないか?」と近所の友達に誘われたことでした。
そこは肌診断をして、それぞれに合ったサンプルをくれるオープンキャンペーン中とのこと。
おばちゃんパワーで沢山のサンプルを頂いてきた人がすでにいて、みなさんご満悦でした。
「みんな凄いなぁ」と感心した母ですが、この時、チラシなどをチェックすると、サンプルがもらえるキャンペーンがたくさんあると学んだようです。
そこで、年齢のわりに膝の痛みもなく病院のお世話にもならずに済んでいる母は、主に化粧品のサンプルをターゲットにして、早速行動を開始します。
新しい趣味と考えれば悪い事ではないのですが、困っている事があるのです。
それは、「お1人様1点」等の制限つきの商品を、私の名前も使って買うこと。
そのことに気付いたのは2020年の夏でした。
普段使っていた化粧品が切れそうになり他のものに目移りしたのですが、ネットの広告を見てお試しキットを申し込んだところ「既に購入済み」で買えなかったのです。
以前申し込んだのを忘れていたのかと考えてみましたが、どうも覚えがありません。
では買えないのはなぜ? しばらく悩んで「もしかして、お母さん?」と思い当たり、聞いてみると案の定でした。
「あんたも買おうと思ったんだ? まだ使ってないんだけど、良さそうだよね?」
初めての事だし怒るつもりはありませんでしたが、全く悪びれない母にちょっと呆れました。
またやりそうだったので、もうしないようお願いしておいたのですが、その後も同じことが続いたのです。
「これは欲しい!」
そう思ったものが買えなかった時、とうとう腹が立って母に文句を言ったものの、返ってきたのは的外れな提案でした。
「じゃ、そのサンプルはあげるね。でも、あの商品はあなたの年齢には早いよ。お母さんはちゃんとその辺考えて買ってるんだからね。ネットも使えるんだからよく探して」
笑顔で「私は分かってるのよ」とでも言いたげな様子にどっと疲れを感じましたが、ここで引くわけにはいきません。
「そういう事じゃなくて、人の名前を使わないでって言ってるの」
「いいじゃない、家族なんだから。欲しいのがあったらあげるからね」
突っ込んでも、シレっとしたもの。
根本的に気持ちが伝わっていない無力感に負けて、この時は引き下がりました。
でも、この頃では義姉の名前でサプリメントを買っていた事も分かりました。
せめて本人に断ってから買って欲しいと思うのですが、何と言えば理解してもらえるのか分からずにモヤモヤしています。
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