<この体験記を書いた人>
ペンネーム:シルキーロール
性別:女
年齢:53
プロフィール:専業主婦。夫と今年から就職した息子と同居。実家は車で約1時間離れた同じ府内。
少し前から「大人の塗り絵」が流行っています。
集中することで余計な事を考えなくて済むので、リラックスできたり自律神経を整えたりする効果があるようですね。
ときどきしか実家に帰らないので全然気が付かなかったのですが、父は既に1年ほど「大人の塗り絵」にはまっているようでした。
ちらっと見せてもらったのですが、塗り絵専門の雑誌もあるようですね。
「枠だけの絵」が描かれたページを自分なりのセンスで色を塗って、雑誌を発行している出版社に提出すると「賞」がもらえたりするようでした。
父はその賞を目指して頑張っているようです。
何時間も集中していることもあり、あまりにも頑張ってしまうため、母に休憩を入れるように注意をされてしまうほど。
でも目標があってとても楽しいようです。
若い頃から「コツコツ」と何かひとつのことを継続できる「頑張り屋さん」な父なのですが、絵を描く姿は今まで見たことがなかったので、ちょっと意外でした。
釣りやゴルフなどは一緒に練習に行ったりしたこともあったのですが、今度は芸術の方に意識を向けるとは。
楽しみを自分で見つけていくアグレッシブな姿勢に感心してしまいます。
そこで今年の「父の日のプレゼントは......」と考えていて、思いついたのが色鉛筆です。
どんな色鉛筆にしようかと探してみると、沢山の種類があるのですね。
水性や油性、クレヨンのような形のものやユニークな色の名前などなど。
私も見ているだけで楽しかったです。
種類が多すぎて選べなくなってしまい、父に色鉛筆の好みがあるのかどうか聞いてみたら「36色」セットが欲しいと言うのです。
今まで父は私や兄が子供の時に使っていた古い色鉛筆を集めて使っており、長さも太さもまちまちのお古でした。
そこで今回「36色」セットを贈ってあげたらとても喜んでくれ、思わずほっこりしてしまいました。
新しい色鉛筆は塗りやすくて、長さも揃っている上、色彩も鮮やかで発色も良いようです。
何より36色揃っているという事実にテンションがあがるみたいで、嬉々として塗り絵を頑張っていると母から伝え聞き、プレゼントしたこちらも嬉しくなりました。
歳を重ねて手足が動きにくくなり、以前のように運動もままならなくなっても、前向きに楽しみを見つけていく。
そしてそれをコツコツ続けられる父の背中に、今までの生き方が透けて見えるように思いました。
私も普通にコツコツ真面目に、何か楽しみを持って生きることの大切さを改めて教えてもらいました。
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