「そろそろ君の誕生日を思い出せなくなってきたよ」かつての恋人への最後の言葉は「ありがとう」でした

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:梅の実
性別:女
年齢:49
プロフィール:心の中では永遠のロマンチスト、表向きは超現実主義に生きるアラフィフです。

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2020年のお正月に故郷福岡へ帰省し、地元の友人とその娘さんと食事をした時のことです。

娘さんは18歳。

彼氏がいるそうなのですが、4月から大学進学のため福岡を離れ遠距離恋愛が始まるので色々不安だと話していました。

まだ若い2人のことですから、友人と私は何も言わず黙って話を聞いていたのですが、その時ふと、昔の甘酸っぱい思い出が脳裏をよぎりました。

私が17歳の頃、バイト先の先輩のそのまた先輩(私の5歳上)と知り合い、21歳からお付き合いを始めました。

しかしその後、私は故郷福岡から就職のために上京したので、遠距離恋愛をすることになったのです。

その頃の連絡手段といえば、家の電話か手紙、そして彼が仕事用に持っていたポケベルだけ。

お互い一人暮らしだったため、長距離電話はお金がかかるので月に1、2回を短めに。

ポケベルは、どうしてもという緊急時にだけメッセージを送る手段にしようと決めていました。

盆と正月には帰省していたのでその時に会い、あとは手紙をやりとりしていました。

とはいえ、彼のほうから返事が来ることはなく、東京での一人暮らしでの不安や仕事のストレスからイライラして、彼に八つ当たりすることも多かった私。

彼はそんな私を優しく受け止めてくれていたと思います。

優しい彼でしたが、やはりお互いにそばにいてほしい時に居ないという距離感がつらくなり、3年ほどして別れてしまいました。

しかし喧嘩別れしたわけではないため、お互いを嫌いになったわけではありません。

その後、お互いに携帯電話を持つようになるとメールで近況報告をし、お互いの誕生日にはおめでとうのメッセージを交換し続けていました。

お互いのその時の彼氏彼女の相談や、のろけ話もしていましたね。

そして月日が流れ、お互いに結婚もしました。

その後もお互いの誕生日の時だけは、おめでとうの言葉に自分の近況報告を一言、メールで送り続けていました。

さらに月日が流れ、彼と別れてから16年が経った、私が40歳の誕生日を迎えた日。

彼からの誕生日おめでとうメッセージのメールにこう書かれていました。

「そろそろ君の誕生日を思い出せなくなってきたよ」
そうか、と思い、私からもメッセージを送りました。

「ずっと今までありがとう。もう送ってくれなくて大丈夫だよ。家族と健康で幸せに笑って過ごしてね」

彼からの返信はありませんでした。

それから約10年が経ち、私は今年50歳になります。

そんな時代もあったんだな...友人の娘さんの話を聞きながら、とても久しぶりに甘酸っぱい想いが蘇りました。

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