<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆり
性別:女
年齢:44
プロフィール:片づけが苦手な専業主婦。同い年の夫と2人の子どもの仲良し4人家族。実母との微妙な関係に悩む。
コロナ禍の前のお話しです。私は以前、某ファミレスでパートをしていました。
そこでは平日の昼間は主婦が、夜間は学生が主に働いていました。
土日祝日になると学生がメインで、主婦は少数派。
私はその少数派の主婦でしたが、学生たちはみんな素直で明るい子ばかりで、主婦同士はもちろんのこと、若い子達との休憩時間の雑談もとても楽しい時間でした。
仕事を始めて1年ほど経った頃、お店の飲み会に初めて参加することになりました。
元々お酒が大好きで、酒の失敗もたくさんしてきた私でしたが、結婚して子供が生まれてからは飲みに行く機会はぐっと減っていました。
あまりに久しぶりだったので、思っていたよりも飲みすぎてしまい、気づけばすっかり酔いが回っていました。
他の主婦もみんな顔を赤くして、声のトーンがいつもよりも大きくなっていたので、相当酔っ払っていたと思います。
そうした飲み会の雰囲気も久しぶりで、私はとにかく気分が高揚していました。
しかし主婦たちが和気あいあいと盛り上がっている中、ふと気がつきました。
テーブルの向こう側に座っている学生達が、いつもの休憩時間と変わらぬ様子で穏やかに談笑していることに。
バカ騒ぎしている私達とはかなり対照的です。
「あれ?」と少しだけ我に返りました。
私が学生だった頃も、同じようにバイト先のお店で飲み会がありました。
飲み会の回数も多かったですし、学生達はここぞとばかりに盛り上がっていました。
その時の記憶があったので、目にした学生たちの様子は私にとっては驚くもの。
当時は、大いに盛り上がる私たち学生を主婦が笑いながら見ているという印象でしたが、今は主婦が飲んで盛り上がっている姿を、学生が笑いながら見ている...そんな逆転が起こっています。
その後、飲み会は年に数回ありましたが、学生達はいつも同じような雰囲気でした。
今の学生さんは、お酒を飲んで騒ぐ人は昔ほど多くはないのかもしれないと思いました。
また、休憩時間にかわす雑談で、学生達がこんなことを話していたことがありました。
ある学生が「つい買ってしまった」と落ち込んでいたので、何を買ったのかと聞くと、「本を衝動買いしてしまった」というのです。
アルバイトでお小遣いを稼いでいるのに、予定外に本を一冊くらい買ってしまうことの何がいけないのかな...と思う私。
色々考えを巡らせるうちに、今の学生は私達の頃よりもお金の使い方がとても堅実で、おそらくお酒を飲むということに対しても同様なのではないかと気づきました。
学生時代の自分を思い起こせば、何も考えずに散財していたし、後悔ばかりが残っています。
楽しい思い出も良いものですが、この学生たちの堅実さがあの頃の自分に少しでもあればと、彼らの姿を頼もしく感じたのです。
学生達の実直な姿に、お酒を飲んで騒いでいた自分が恥ずかしくなってしまいました。
「最近の若者は...」とはいつの時代も言われる言葉です。
でも、時代の変化とともに若者たちは進化し、その時代を支えていくのだろうと頼もしく感じました。
おばさんもまだまだ頑張らなければと肝に銘じています。
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