<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おかあ
性別:女
年齢:46
プロフィール:夫(41歳)と中2男子と小5女子の2人の子どもと暮らす、まだまだ子育て真っ最中の46歳会社員です。
先日、私の元上司A係長から退職の挨拶状が届きました。
「再雇用の3年間を含め63歳までの間、いろんなことがありましたが、今となっては全て貴重な経験でした」
挨拶状にはそう書かれており、真面目で誠実なA係長らしいと思う一方、そんな彼に降りかかった過去の不条理な出来事を思い出しました。
当時50代半ばだったA係長(男性)は、新卒の女子社員B子(22歳)の指導に苦労していました。
彼女は、まだ何ひとつ仕事は覚えていないのにプライドだけは高く、最近よく耳にする「モンスター新人」の典型のような子でした。
「私はこんな仕事をするような人間じゃない、私にはもっと能力を生かせる部署がある」
などと平気で周囲に言ってのけるにもかかわらず、ちょっとミスを指摘されたり叱責されると、すぐに泣きだします。
そのため周囲も「彼女にはあまり関わりたくないな」と思っている状況でしたが、A係長だけは彼女としっかり向き合い熱心に指導していました。
そんなある日、A係長がB子へセクハラ行為を行ったとして、突然他部署へ左遷されました。
セクハラの内容は「本人の意思に反して執拗に食事に誘う等の行為をした」です。
他の女子社員は誰もA係長から、しつこく誘うなどのセクハラを受けたことは当然ありませんし、あの真面目で仕事熱心なA係長がそんなことするとは思えません。
また、気の強いB子が気乗りしない誘いを受けて、断われずに我慢するとも思えませんでした。
課長も、「あり得ないことだけど人事が判断して決めたことだから...」と歯切れの悪い様子で、誰もが納得できません。
後日、仲間内でA係長の送別会を開いた際、その席上で事実を聞くことができました。
あの日、B子がミスを隠していたことが終業間際に発覚し、やむなくA係長とB子で残業しリカバリーをしたそうです。
その後、「ミスをするのは仕方ないけど、それを隠すのは良くない」と注意をすると泣き出してしまったB子。
「厳しく言い過ぎたかな」と、励ます意味で「遅くなったから向かいのラーメン屋に寄って帰ろうか?」と誘ったことが、セクハラ行為として人事に訴えられたそうです。
会社の向かいのラーメン屋さんは社員がよく行くところで、B子も過去にA係長と行ったことのあるお店です。
その日、B子は「疲れている」と言ってラーメン屋に行くこともなく帰宅したそうです。
それを「不本意なのに執拗に食事に誘われた」などと人事に報告したのなら、どこか特別な場所に無理やり連れて行かれそうになったように誤解してしまいます。
実際、人事もそう思っての処分だったのでしょう。
一方、B子はセクハラの被害者として希望する部署へ異動していきました。
世の中には、実際にセクハラやパワハラに悩まされている人はいます。
それは、無くしていかなければならない社会の悪だと思います。
でも、B子のように「言った者勝ち」とも受け取れる出来事に、あらためて難しい問題だと思ったのです。
最近また、B子がパワハラ被害にあったと訴えていると耳にしましたが、それが本当なのかどうか信じられず、同情できない私がいます...。
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