20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。今回は、リビングダイニングのリフォーム中に気付いた「自分で決める」ということをお届けします。
前回の記事:「そっちじゃない~!」とスマホに叫んで...。50代で「ウーバーイーツ」デビューした結果は...⁉
春に体調を崩したことがきっかけで決めた仕事部屋作り。
60代まであと2、3年。
昔は還暦と言えば、リタイヤして悠々自適の生活に。
ですが、今や生涯現役さんも多い。
できることならライフワークを持ち続けたいと思っています。
「シニア生活は自分が管理できるモノだけを持ち、自分の好きなモノに囲まれて暮らしていきたい」
将来を見据えて、リフォームを決心しました。
「自分のことは自分で決める!」
決めなければ、誰も責任を取ってはくれないおひとり様です。
世間では母と娘はなにかと仲が良く、姉妹みたいな関係性が多い中、娘は「自分の城を持つ」とリフォーム中にとっと部屋を決め、独立をしました。
家族が集うリビングダイニングが綺麗になれば、さぞ喜んでくれるだろうと思ったけれど、全く興味がないようでした。
そんなことよりも、自分のお城作りで忙しい。
この家に最後まで住むのは「母」のあなたなのだから好きにすればいい、と子供たち。
ということで、リフォーム業者選びから始まって、インテリアコーディネート、家具選びまで、すべての決定権は自分です。
専門家のアドバイスもいただきましたが、それはあくまでも参考にしかならないのです。
最後には「あなたはどうしたいの?」と聞かれるのですから。
リフォーム工事が終了した日、床の養生材を外しにやってくると思っていた担当者さんがなかなかやってきません。
養生材はまるで屋外のように汚れているので、ここでは我が家の犬も横にはなりません。
早くソファを置いて部屋を整えたいと思い、1人で段ボールほどの厚みのある養生材を外しはじめました。
外しては床の埃を取り除き、雑巾掛けをする。
巨大な袋に入った3人がけ用ソファを、えんこらと袋から取り出して、一旦休息。
そのまま引きずって移動して床に傷がついては残念なので、脚の下に毛布を敷いて、ヨイショと毛布ごと引っ張り、目的の場所へ移動させる。
120センチの丸型テーブルも同様に。
サッシやレール、建具についた汚れも雑巾がけを何度もして自前クリーニング。
仕上げの掃除はプロにお願いすると5万円以上。
払って楽をするのか、自分でやるのか、懐具合も自分次第。
5万円の日当を稼ぐ気分で自分でやりました。
すべて終えた後、仕上げに新品の大きめラグを敷きました。
そのフカフカさに愛犬も大喜びで、ラグの上で得意の穴掘りをしたかと思うとシャーとおしっこ。
「あー!ガク!」と声をあげて抱き上げたらそのまま小便小僧のように放物線を描いて悲惨なことに。
最後の最後にウンがついたと、怒る気力もなくなって大笑いしました。
これも思い出の一つに。
翌日やってきた工務店の担当者は「まさかご自分でやってしまわれるとは...」と絶句。
「大丈夫、あなたの仕事は残してあるよ」と冷蔵庫の下の養生を外してもらいました。
約20日間のリフォーム工事を終えた感想は、「楽しい」の一言です。
自分で決めたことの結果は全て自分に返ってくる。
失敗したことも、うまくいったことも、自分で決めたことなので後悔がありません。
それよりもやり切った満足感でいっぱいです。
まだまだ自分もできるはずという小さな自信になりました。
次の夢は至福のお風呂場リフォームです。
【まとめ読み】50代のこれから、そして悩み...中道あんさんの記事リスト
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