<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:脳梗塞の夫と二人の子供と暮らす、働くお母さんです。
私(52歳)は食品関係の夜勤のパートをしています。
職場の気が合う同僚の1人、A子さんは35歳で、まだお子さんが5歳と7歳の若いママさんです。
旦那さんは昼間派遣で働いていますが、なかなか経済状態が厳しいらしく、A子さんが夜勤のパートにでているとのことでした。
ある日のこと。
仕事中に、A子さんの旦那さんが倒れて救急車で運ばれたと連絡がありました。
真っ青になり帰宅するA子さんに、私が言えたのは「慌てないで、気を付けて帰ってね」でした。
後から考えれば、もっと気の利いた励ましの言葉があったと思いますが、その時はそれだけを言うのがせいいっぱいだったのです。
半月後、職場に顔を出したA子さんから、涙ながらの相談を受けました。
なんと、旦那さんが脳梗塞で倒れてしまったとのこと。
私の夫が8年前に脳梗塞で倒れたことを以前話していたので、それを思い出して私に相談したようです。
「旦那の看病もあるし、子供の世話もあるから、夜勤のパートにはもう来れない」
「収入を断たれて貯金を切り崩しているが、高額の医療費であっという間にお金が消えてしまい、もうどうしていいのかわからない」
A子さんは途方に暮れていました。
そこにあったのは、まさに8年前の私の姿です。
かなり身につまされました。
8年前、夫が突然脳梗塞で倒れて生死の境をさまよった時、まさに今のA子さんと同じ気持ちでした。
「大変だったね。相談にのるくらいしかできないけど、なんでも言ってね」
私が言うと、A子さんは、ぽろぽろ涙をこぼしました。
私もつられて、涙が出てきてしまいました。
幸か不幸か、私は彼女がこれから辿るだろう道を、一足先に歩いて来ました。
多少なりとも、彼女が経済的にも精神的にも少しでも楽になるようなアドバイスができるかもしれません。
そう思い、自分の過去を振り返り、彼女に、生活保護を申請してみるようにアドバイスをしました。
実は、私も8年前に生活保護を選択肢の一つに考えた経緯があったからです。
私の場合は住宅ローンが150万円程残っていたため、生活保護は受けられませんでした。
しかし彼女は借家だというし、ローン関係は残っていないとのことだったので、おそらく生活保護が受けられるのではと思いました。
結果的に、A子さんは、生活保護を受けることができました。
医療費の心配がなくなり、最低限の生活の保証をされたA子さんが「本当に、ありがとうね」と涙ながらにお礼を言ってくれた時は、心底、よかったと思いました。
私の辛い経験が友人の役にたったのなら、こんなに嬉しいことはありません。
旦那さんの看病と子供たちの世話があるため、A子さんは仕事をやめましたが、今でも時折、電話やLINEで、たわいもない世間話で盛り上がっています。
関連の体験記:すべての会話に「うるせー」「バカ」。結婚15年、仲が良かった主人が豹変した哀しい理由
関連の体験記:41歳専業主婦の私。年3回の美容院すら「また行くの?」と言う、お金にシビア過ぎる夫が辛いです...
関連の体験記:「あぶねーな!周りよく見ろよ!」公園で遊ぶ小学生に怒鳴った「若いお父さん」。それ、どうなの...⁉
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。