<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女
年齢:43
プロフィール:会社員の夫と高校生と中学生の子供2人の4人家族。夫の実家の食堂を手伝っている主婦。
高校2年生(17歳)の娘は、某大学の附属高校に通っています。
2年生の進路面談の前に「附属の大学じゃなくて、行きたい大学があるから受験したい」と言ってきました。
親としては「大学受験の負担が少しでも軽くなれば」と思い、現在の学校に中学から通わせていたので少し複雑でした。
しかし主人(46歳)も私も、子ども達の希望は出来る限り尊重してあげたいと思っていました。
「受験は大変だけど、自分で選んだことなんだから悔いのないように頑張って」
娘に思いを伝え、応援することにしました。
ところが先日、娘がとんでもないことを言ってきました。
「友達に誘われて、興味本位で新しく誕生する地下アイドルグループのオーデションを受けたら、最終選考まで残っちゃってさぁ。同意書に親のサインが必要だからサインしてくれない」
主人も私も突然のことにびっくりして、大学進学を目指しているのに、もし合格したらどうするつもりなのか尋ねました。
「沢山の人が受けているんだし、多分合格なんてしないから平気だよ」
娘は呑気なものですが、夫と私の心配はそれでは解消されません。
「万が一合格したら、地下アイドルの活動と大学受験の両立は難しいから同意書にサインは出来ないよ」
夫が諭したものの、娘は聞き入れません。
「私にとってオーデションは、ただのイベント。一度くらい芸能界みたいな場所を覗いてみたいだけなの。だからそんなに真剣にならないで、サインだけしてよ」
「じゃぁ、もし合格しちゃったら、どうするの?」
「そんなこと考えてないから、わかんないよ。まぁ、その時に考えるって感じかな」
私の追求に対しても、いい加減な返事しか返ってきません。
さすがに頭にきました。
「そんな安易な考えなら、本当に地下アイドルになりたくて頑張っている人たちや、アイドルグループを育てる会社にも失礼でしょ。面白半分なら辞退した方がいいと思うからサインはしません」
すると、娘はしばらく黙って何か考え込んで自分の部屋に行ってしまいました。
私もついヒートアップしてしまい、可哀想だったかなとも思いましたが、少しは娘に主人と私の想いが伝わったと、この時は思っていました。
しかし数日後、娘が再びオーデションの書類を持ってきました。
「パパとママに言われて考えたんだけど、もしオーデションに合格したら、大学は今目指している志望校より偏差値の低い大学に変えるから。そうすれば大学受験とアイドルグループの活動も両立できると思うから、オーディションを受けたい」
17歳の女の子が華やかそうな世界に憧れる気持ちもわかるのですが、あきれてとっさに言葉が出ませんでした。
自分の進路を軽く考える呆れた娘に困ってしまいましたが、一度言い出したら頑固な娘の説得は難しく、オーディションに落ちることを願いながら、同意書にサインをしたのでした...。
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