女性は怖い! 高校を卒業して就職した若き日の私が「女性の表と裏」を教えられた先輩たち...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:50
プロフィール:50歳の独身で自営業です。

女性は怖い! 高校を卒業して就職した若き日の私が「女性の表と裏」を教えられた先輩たち... 7.jpg

遠い昔の事ですが、私が社会人になりたての25年ほど前の話です。

高校を卒業して最初に就職したのは、女性が極端に少ない組織でした。

私達の期は女性が5年振りの採用とのことで、周りの女性のほとんどは年上でした。

同じ課のA先輩は厳しくても包み込むような優しさがある、私にとっては姉のように思える人でした。

しかし、他の課の3人の先輩は違っていました。
1人は50代で、2人は30代後半でした。

50代の人は組織の女性陣では年長で、お目付け役という感じです。

30代の2人は一人は「気さく」で、もう一人は「ねっとり」したタイプ。
私はねっとりさんが一番苦手でした。

課が違うので、毎日顔を合わせることはありませんでしたが、それだけにバッタリ会った時には緊張しました。
そんな私の気持ちが感じ取られてしまったのか、3人は会う度にイジってくれるのです。

「お化粧上手ねぇ。どうしたらそんなに綺麗に見せられるのか教えて欲しいなぁ」

「あら~そのミニスカートいい色ねぇ。若い子が着ると素敵ね~。足の長いこと!」

そうやって甘い口調で褒めて(?)は、返答に困っている私を残して去っていきます。

また、50代の人には言葉以外のこともされました。

何人も人がいる前で「ウエスト細いね、何食べてんの? 内臓入ってんの?」とベルトを掴んで引っ張られたのです。

引っ張りながら周りの人に同調を求めるのですがみんな引いてしまって、その女性の声だけがフロアの一角に響きわたり、居たたまれない気持ちになったのを覚えています。

こうしてイジられるのは勘弁してほしいと日々祈っていましたが、それ以上に嫌だったのが、この3人がお互いに対する陰口を言っては意見を聞いてくることです。

陰口の内容は、「男性の前では態度が違う」「若作りが痛いと思わない?」「言葉がキツくて、いちいち腹立つよね?」などでした。

私も今の年齢になれば笑って聞き流せることなのですが、当時は何でもまともに受け取ってしまい、真面目に考えこんでしまっていました。

しかも、目上の女性との付き合い方も分からなかったので、どうして良いやら。

YESでもNOでも角が立つ気がして、何も答えられません。

返事にもなっていない返事をしながら、おどおどと話す私は彼女たちの目には滑稽に映ったと思います。

そんな事が続いてストレスが溜まり、ついにA先輩に愚痴を聞いてもらいました。

すると、意外にも先輩の返事はあっさりしたものでした。

「まともに答えると自分に降りかかって来るよ。意味が分からない振りして逃げてきちゃいなさい」

笑いながらそう言われ、「なるほど」と目から鱗が落ちる思いでした。

でも、一方で...。

あんなに優しいA先輩が、他の3人の先輩をズバッと斬ったことは、逆の意味で少しショックでもありました。

そんな雰囲気を微塵も感じさせないのに、A先輩もそう思っていたなんて......。

「つくづく女性は怖い」と洗礼を受けた、若き日の思い出です。

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