<この体験記を書いた人>
ペンネーム:masako
性別:女
年齢:53
プロフィール:主婦です。55歳の夫と二人暮らしです。セクハラを「オバサンの被害妄想」で片付けられそうになりました。
2020年の2月まで、ビルで清掃のパートをしていました。
そこで在職中に遭ったセクハラ被害と、そのときの上司の酷い対応についてお話しします。
セクハラというと、一般に若い女性がターゲットとなるイメージが強いと思います。
私もそう思っていました。
ですが、2019年の10月頃、清掃場所であるビル内のマンションの住人の外国人男性(既婚で40歳くらい)から、セクハラに遭いました。
奥様は日本人で、日本在住歴も長いようですが、なにぶん異国のかたなので、私がオバサンだということが、わからなかったのだと思います。
その男性は当初、顔を合わせるたびに流暢な日本語で「いい天気ですね」とか、「暑いですね」とか、「寒いですね」などと話しかけてきました。
会社からは、住人のかたには丁寧に接するように言われていますので、私も愛想良く答えてきました。
すると、気があると誤解したのか連絡先を訊いてきたり、「送っていく」と誘ってきたりするようになりました。
どちらも「会社から、住人のかたとの個人的なお付き合いは禁じられているので」とやんわりと断ったところ、従業員通用口の近くで待ち伏せされました。
幸い、そのときは同僚の女性が一緒だったのですぐに立ち去りましたが、さすがに怖くなって上司に相談しました。
ところが、30代の若い上司は私の話に対して「本当なの?」と、ニヤニヤと薄笑いを浮かべました。
私は「被害妄想じゃありません」と強く主張しました。
ですが、上司は「そりゃぁ、モテてよかったね」とか、「言い寄られるうちが華だよ」などと小馬鹿にしたことを言うだけで、何も対処してくれませんでした。
私は、セクハラ相手よりも上司の態度にブチ切れました。
「対処してくれないなら、本社に直接掛け合う」
そうまくし立てました。
私の剣幕に押されたのか、上司は今回の件を本社に報告しました。
ですが、本社からも現時点では被害もないことと、セクハラの明確な証拠もないことから、相手に注意することはできないとの返事でした。
もう、これは退職するしかないと思っていたところ、翌日、セクハラ相手の奥様から声をかけられました。
奥様は「主人がご迷惑をおかけして申し訳ありません」と丁寧に頭を下げました。
奥様の話によると、他の住人から私にしつこく話かけていることを聞いたそうです。
女性を口説くのが習慣の国で生まれ育った人なので、奥様も困っているとのことでした。
「きつく叱っておくので、許してください」
そう言われて重ねて深く頭を下げられ、私はかえって恐縮してしまいました。
それから、セクハラ相手は顔を合わせても目をそらし、足早に去って行くようになりました。
奥様から相当に怒られたのでしょう。
ちょっと笑ってしまいました。
今となっては、怖い思いはしましたが、セクハラ相手に恨みはありません。
ただ、私の必死の訴えに対して、「アンタみたいなオバサンにセクハラする物好きはいないよ」と言わんばかりの態度を取った上司の対応だけは、今でも納得できずにいます。
関連の体験記:財布から消えた3万円。夫に尋ねると赤鬼のように怒ったけれど、実際は...
関連の体験記:「で⁉ 結局、何が言いたいの?」小学校4年生の娘が怒り出す42歳夫の「残念なお説教」
関連の体験記:「こんなに守られていたんだ...」娘が18歳になり「児童扶養手当」の受給が終了。そのありがたさを痛感...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。