ホームに入りたがらない叔母を説得。心を開く鍵は「共感」にあった!/カータン

実家で2人暮らしをする高齢の両親をサポートしているカータンさん。緑内障を患い失明してしまった父と認知症が進行してきた母。しんどいこともあるけど笑えちゃう、介護のエピソードを、超人気ブログ「カータンBLOG」からご紹介!

前回の記事:老人ホームを「断固拒否」する認知症の叔母。夫の「渾身の説得」の行方は...⁉

前回の続きです。

夫が病室を出て行き、叔母と私がふたりきり。

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その時、頭に浮かんだのは、
さっき叔母の部屋で見た荷物だった。


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ホームに持っていくものを叔母が準備していたことは、手伝ってくれたお弟子さんから聞いていた。

叔母は「出てけ!」の幻聴に悩まされ、一刻も早くホームに入りたいと願い準備していたようだ。
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だから、夫に連日電話をかけてきたのだ。

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遠足を楽しみに準備をしていた子供のように、
ホームにすぐに入れない事情など叔母には知ったことではない。

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切り出してみた。

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「そんなことない!」とズバリ否定したら夫と同じ。

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ここからは、私は女優。

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嘘も方便。


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たとえ現実はどうであれ


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優しい嘘なら許されるわ。


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叔母の表情が変わっていくのがわかった。

叔母「でも、外出はできないんでしょう?」

私「そんなことないです。たまには一緒に外でご飯食べましょうよ!」


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構ってちゃんは、母と同じ!

母が相手を困らせたい時にいつも言う。

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でたーーーー!

一人でなんて行けないのに。

知り合いがいるわけでもないのにさ。

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はいはい。

私「いつから?」

母「いつでも」

私「何時のフライト」

母「何時でもいい」

私「じゃ、早い方がいいから明日の朝ね」

母「・・・・・・・」

私「じゃ、朝7時に迎えに来るね」

母「一人で行ける」

私「わかった!」

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まったくどれだけ構ってちゃんよ?

でもね、心にないことをつい言っちゃう。

構ってちゃんな女心・・・

私もわからなくもないの。

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まさにこれだ!

困らせたい、構って欲しい、私の不満を聞いて欲しい!

叔母の感情もまさにこれでしょ?

案の定、

叔母の口から次々と出る甥の愚痴。

女は聞いて欲しいの。

共感してもらいたいの!

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いつの間にか夫が戻って来たけど御構い無し。

いくらでも共感してあげる。

そして、私たちが帰ろうとした

その時だった。

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叔母がそんなことを口にしたのは。

家に帰ると、夫の携帯に叔母から電話が入った。

暗い声で電話に出た夫の声がすぐに変わった。


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電話を切った夫が言ったわ。

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あれから心変わりをしたという連絡はまだ叔母から来てはいない。

現在、ケアマネさんやホームの方と相談して、叔母の入居準備を進めている。

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私が良い人キャラに映ってたら大間違いで、ただキレないだけのこと。CA時代のK先輩に感謝することがあるとすれば、私は相手が感情的になればなるほど、『なんでそんなに怒っているんだろう』とかえって冷静になっていくこと。母は感情的な人間なので、前に言われたことがあるの。「こっちがこんなに怒ってるのに、あなたのその淡々とした態度に余計腹がたつのよ」と。(大丈夫、もう慣れっこよ)コメントで優しいとか書いてくださる方、ごめんなさい。姉と母や父への暴言(愚痴)を吐いては、ストレスを発散してる鬼だから。

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最初から読む:母が吐血!深夜の救急病院から帰宅してみると異様な声が.../カータン

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カータン

1967年4月生まれ。小学5年生から中学3年生まで台北で過ごす。子どもの頃から妄想が得意で、物心ついた時からエッセイストを志していた。大学在学中にふとした思い付きから客室乗務員を目指し、1990年から1997年までの7年間勤め上げたのちに退職。1998年に長女を出産し、専業主婦となる。その後、2006年7月に39歳で1590グラムの次女を出産し、その経験を活かすためにブログをスタート。2008年3月には『JAPAN BLOG AWARD 2008 総合グランプリ』を受賞する。

■転載元

カータンBLOG あたし・主婦の頭の中


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『健康以下、介護未満 親のトリセツ』

(カータン/KADOKAWA

体に不自由が出てきたけど、ガッツリ介護が必要というレベルではない…そんな“健康以下、介護未満”な両親との付き合い方をお教えします。思わず笑っちゃうけど、不思議とジ~ンときちゃう、そしてためにもなる。すべての人に存在する「実家」というコミュニティ。いつかはやって来る両親の老い。どんな家族も「あるある」と共感できるネタが満載です。

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