<この体験記を書いた人>
ペンネーム:こはる
性別:女
年齢:40
プロフィール:夫と大学生の息子とのんびり暮らしている専業主婦です。
息子はこの春から大学三年生。
就職活動に向けて企業研究やインターンなどに取り掛かる学年になります。
大学では就活準備セミナーなどが開催されており、息子も参加して、徐々に就活への意欲、就職先への希望や期待感が芽生え始めていました。
先日義父の金婚式があり、親せき一同が集まったときに、息子が4月から就職活動に向けての準備を始める学年になるという話題になりました。
そこで始まったのが、酔っぱらっていい気分になったリタイア組の義父や叔父たちによる過去の武勇伝や自慢話でした。
でもそれは、いわゆる過去の「バリバリの体育会系営業マン」の実情で、息子が青ざめていくような話ばかりでした。
「どういう仕事がしたいなんて希望を持っても無駄無駄! 実際入社したら、希望の部署になんかいけるわけがないんだから! だいたい新人は営業からだよ、営業!」
「とにかく新人は上司の言うことには従っておけばいいんだよ。口答えなんかもってのほか!」
「上司から深夜に呼び出されて、朝まで飲まされることなんて当たり前! 飲みニケーションってやつだな!」
「顧客からの理不尽な条件にも、ハイハイ従っておけ! 接待も大事だぞ!」
などなど、大手企業の営業第一線で活躍していた大先輩方の経験談に、だんだん死んだ目になっていく息子。
そのとき、静かに飲んでいた大学院生のいとこが言いました。
「夢や希望も持たずに、家族を養う給料のためだけに身を粉にして働いたら、おじさんたちみたいに大成功して幸せになれるんですね!」
その途端、奥様方の方向からかなりの殺気が!
「あら~! 接待帰りに酔っぱらって大声で帰宅して、せっかく寝かしつけた子どもたちを起こすし、ご近所にも大迷惑かけてたのは誰だったかしら~?」
「うちのお父さんなんて、合併吸収されたらリストラされちゃって、大変だったのよ~! なかなか仕事が決まらなくて、私が生活を支えてたんだから!」
「うちなんて歩合制だったから、営業成績が悪い月なんて、お給料少なくてホントに大変だったのよ~!」
奥様方の苦労話が怒涛のように飛び交い、義父や叔父達は一転して肩身が狭い立場になっていました。
いとこは大学院に進学すると言ったときに、義父たちに「社会の役に立たん学問なんてやってどうする」などと、グチグチ言われたのだそうです。
「ああいう営業が無理な発注を受けてくるから、技術屋との板挟みになって、俺たち中間管理職は胃が痛い毎日なんだよ」
隣にいらしたいとこのお父さんは、そう言って苦笑いされていました。
「好きな分野に直接でも間接でもかかわれる仕事だと、多少苦労があっても頑張れるものだよ」
結局息子は、いとこのお父さんからのそんなアドバイスのおかげで、就職活動へのやる気を取り戻すことができたようです。
企業研究に励んで自分の方向性を決め、インターンの申し込みを始めています!
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