<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:51
プロフィール:12歳から23歳の3人の子ども&脳梗塞の夫と暮らす、ワーキングマザーです。
脳梗塞を乗り越えて7年ぶりに再就職した55歳の夫。右半身まひと軽度の言語障害があるので障害者枠での就職となり、一般の方よりも若干安い給料ですが、週5日フルタイムで働いています。
私のパート収入でしのいでいた苦しい生活も、夫の給料が加わることでグンと楽になるはず。なのに、なぜか貯蓄に回るお金が全然残らない。
「なぜ? どこに消えてるの?」と不思議に思い、細かく支出のチェックをしてみたところ、原因は夫の「困った買い物の仕方」にありました。
夫の買い物にはおおまかに2パターンあります。一つ目は、「食品や日用品の買い出し」。
二つ目は「ネット通販」です。私が夜勤の仕事をしていたため、食品や日用品の買い出しは、夫が日曜日の昼間に行ってくれていました。
大まかな食品(豆腐や納豆、みそ、魚、肉など)はリストを渡してお願いするのですが、それ以外の食品や日用品などは夫におまかせでした。そこに落とし穴があったのです。
洗剤は大袋(3倍サイズ)を3袋まとめ買い。トイレットペーパーもお気に入りのメーカーを3袋まとめ買い、というように、1つでいいものを複数買っていたのです。
納戸を開けてそのストックの多さに思わずビックリ。「とりあえず使う分だけ買おうよ」と、やんわりお願いしましたが、「どうせいつか使うんだから構わないだろう?」と不満顔。
確かにいつかは使うものですが、ストックがあると思うと使う量も増えますし、一度に出て行く現金も増えます。
できるなら必要最低限のものを必要なだけ買い、少しでも貯蓄に回したいのが本音です。
しかし、まあ夫の言い分も分かりますし、「自分の働いたお金で買い物をするのが楽しいんだなぁ」と、温かい気持ちでいたのもつかの間。今度は、新たな問題が出てきたのです。
新しい問題は「毎日のように届くネット通販の荷物」。
夫は昼間仕事に言っているため、夜勤の私が寝ている昼間の時間帯に、「ピンポーン」と玄関のインターホンが鳴り響きます。
眠い眼をこすりこすり出てみれば、十中八九宅配便です。
もはや顔見知りになりつつある宅配便のお兄さんから荷物を受け取り、荷物に貼られている伝票を見てみれば送り先には夫の名前。送り主は、某・大手ネット通販会社。「こんどは何を買ったの......?」と、寝ぼけた頭で大きなため息をつきました。
通販の中身は、パソコン部品やサンバイザータイプの老眼鏡、健康食品などさまざま。絶対必要なものではなく、インターネット通販のサイトを見て「夫が欲しい」と思ったものです。
サンバイザー式の老眼鏡は手元で作業ができるタイプのアイデア便利商品ですが、私が「この頃パソコン作業をしていると見えにくくて......」という話しをした3日後に届きました。
「これ便利そうだから、使ってみて」と満面の笑みを浮かべた夫に渡され、「ありがとう、使ってみるね」と笑顔で受け取った私でしたが、本音は「お願いだから無駄な買い物は控えてほしい」でした。
夫が病気療養中、貯金はほとんど使い果たし、私のパート収入は毎日の生活に消えてしまい、ほとんど貯蓄はないに等しい現状。夫が収入が増えた分は、少しでも貯蓄に回したいのです。けれど、夫は自分の働いた分があるのだからと気が大きくなっているのか、通販三昧の毎日です。
このままでは貯金は貯まらず家計は火の車。意を決した私はある日、わが家の1カ月の現金出納の状況を書類にして、どれだけ夫の買い物が家計を圧迫しているかを数値で見せました。
すると夫は「働いているのに、貯金ができないのか」とショックを受けたようです。
復職の喜びにわく夫の気持ちに水を差すようで少し心が痛みましたが、ここは協力してもらうしかありません。こうして夫とは「食品や日用品は、ストックを買いすぎない」、「通販は必要なものを相談してから買う」という取り決めをすることに成功。現在のところ約束は守られています。
ひとりで悩むより、まずは冷静に話してみること。夫婦だからこそ話し合いは必要なのだと実感した私です。
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