<この体験記を書いた人>
ペンネーム:花子
性別:女
年齢:59
プロフィール:結婚を機に仕事を辞め、専業主婦をしています。子どもたちも独立し、夫婦水入らずの毎日です。
私の夫は、昔からストック癖がある人でした。
気に入ったお菓子や飲み物、洋服などなんでもストックしないと気が済まないのです。本人に理由を聞いてみると、「備えあれば憂いなし。それにお気に入りのものがいつ生産中止になるかわからない」と心配しているようです。
結婚当初はふたりだけの生活だし、収納さえうまくできれば問題ないと考えていました。
それから子どもがふたり産まれ、4人家族になりました。
子煩悩になった夫は、子どもたちのお菓子やおもちゃ、洋服などもたくさん買ってくるようになり、さすがに収納が追いつかなくなってきました。
しかし、子どものお菓子は消耗品なので困ることもなく、洋服もすぐに着れなくなって処分することも多かったので、なんとかなっていました。
そして、子どもたちが独立し、夫婦だけので生活になった数年前のことです。
夫は65歳、私も50代半ばになり、食に対する欲求も少なくなっていました。それなのに、その頃から夫は、食べ物を大量買いするようになってしまったのです。
私たち夫婦は、毎週お互いの休みの日に、買い物に出かけます。近くのスーパーや少し遠いショッピングモールなど行先はその日に決めることが多いです。
私としては、1週間分の食糧を目安にした買い物のつもりなのですが、夫は夫婦ふたりの生活では食べられない量の食材をカゴに入れてしまうのです。
私も夫も業務用の大きいスーパーが好きでよく行くのですが、お肉も2キロパックやメガ盛りを選ぶ夫。はじめは、「こんなに食べきれないよ」と軽く注意していたのですが、夫は聞き入れてくれません。仕方なく冷凍庫にストックして消費しようと頑張っていたのですが、毎週同じように買ってしまうので消費が追いつきませんでした。
冷凍庫のものはまだいいとしても、冷凍できない冷蔵庫のものは賞味期限が切れて捨ててしまうこともしばしばです。
そこで私は、夫のストック癖が悪化してしまった原因を考えました。時期は、子どもたちが家を出た頃です。夫が使うもの中心だったストック癖が食料品中心になってしまったのもこの頃からでした。
私は、子どもたちが家を出て行ってしまった寂しさが関係しているのかなと気づきました。夫は子どもたち中心の生活を送っていたので、子どもたちがいつ帰ってきても好きなものを食べられるように用意しているようにも思えたのです。夫の気持ちも理解できるので、何も言えなくなってしまいました。
しかし、このままではもったいないと思った私は、対策を考えることにしました。
それは、収納スペースを目に見えるように配置することです。
決まった場所に、夫にも分かるようにストックを置いておくことで自然とストック状況を目で見て、理解してもらうようにしました。また、今まで私がしていた片づけを、私だけでなく夫にもやってもらうようにし、買いすぎたものの収納の大変さを知ってもらいました。
さらに、子どもたちにプレゼントとして食糧を贈ることで、夫の子どもへの気持ちも贈ることができるようにしたのです。
それからは、夫も自然と収納を考えるようになり、買い物の量も少しずつ減っていきました。プレゼントという交流ができたことで、子どもたちも定期的に顔を見せてくれるようになり、夫の寂しさも軽減したのかもしれませんね。
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