<この体験記を書いた人>
ペンネーム:真夏の塩キャラメル
性別:女
年齢:40代
プロフィール:まもなく50才、急激な体調の変化に驚く毎日です。
農家が多い集落の長男に嫁ぎました。
義父は農家の4男で、会社勤め後に定年しており、結婚を期にその実家で同居を始めました。若い人は町に移り住んでおり、集落はほとんどが高齢者世代。結婚と同居の報告のため、ご挨拶の品を持って隣組を回ったときも、「子どもが結婚して(集落に)戻ってきた義両親の自慢のため」のようで「面倒だな」と思いつつも「そういうものか」と軽く考えていました。
ですが、先日我が家が隣組長になり「このままではいけない」と強く思う出来事がありました。
年に一度の会合は隣組長の自宅で行われます。義母が湯のみや座布団を忙しく準備し始めたので「公民館や集会所を使わないんですか?」と聞くと、「この集落はみな家でやるもんだ」と義母。そして「手伝って」と言われ、私はお茶を出すことになりました。
一人また一人と知らない人が家に入ってきます。入ってきた順にお茶を出し、人数を数えるとあと一人。「お義母さん、あと一人ですね」と声をかけると、義母はどこかへ電話をかけました。
「○○ですけど皆さん集まりましたのでお願いします」
そ集落でも口うるさくて厄介者、昔は校長先生まで勤め上げたという方への電話でした。全員がそろったところで電話をかけたのは、その方をお待たせしないための配慮だったのです。
そして、ふと気が付くと、テーブルの上に見慣れぬ灰皿が出されていました。
我が家は一人も喫煙者はいないのですが、喫煙する人のために用意されたようでした。え? 集会中に喫煙? 今どき? と思うそばから年配者は気を使うこともなく吸い始めました。
煙たそうにしている若い方を見て「気の毒に...」と思いつつ、私も煙に耐えられず退室しようとしました。すると義母に呼び止められ「お茶が減っている方に注いで!」と。まだ半分も湯呑に残っているのに!と思いながらも、急須を手にぐるぐるぐるぐる歩き回りました。
若い方は「もう結構です」と苦笑い。そうですよね~と目で会話。私は集会が終わるまで、タバコの煙にいぶされながらお茶を注ぎ続けました。
集会終了後、義両親に元校長の特別扱いの件とお茶の件、喫煙の件を聞いてみると「昔からこの集落ではそういうものだ」と言うだけで取り付く島もありません。
でも私はこう思うんです。
今はお茶などはペットボトルでも用意しておいたほうが便利な時代ですし、受動喫煙の問題もあります。今回は妊婦さんや赤ちゃんを連れた方はいなかったのでまだよかったのですが、もしそういう方が出席された時に、今日スパスパ吸われていた年配の方が配慮してくださるか心配です。
灰皿を出さなくていいのでは...と義母に聞いてみると、「元校長が喫煙者だから」との返事。なんだかモヤモヤしてしまいました。
私たち世代にこの隣組長が回ってくるころまでには、どうにかならないだろうか...と考えてしまいます。
希望する人は集会所を使う、集会中は禁煙、集合時間になったら集会開始などにできたらと思うのです。筋の通らない決まりで、次の子供世代が困ったり嫌な思いをしないように変えていくのが私たちのつとめなのでしょう。
両親にはそういった勇気ややる気はないようです。昔からそういうもんだ......この言葉にしばらくの間は支配されるのかと恐怖さえ感じています。
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