父としての意地?ずっと"食べるだけ"だった夫に、我が息子が与えた変化。

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:アメリ
性別:女
年齢:62
プロフィール:結婚して37年、三人の子供は結婚して現在は夫と義母の三人暮らし。

父としての意地?ずっと"食べるだけ"だった夫に、我が息子が与えた変化。 14.jpg

私は夫と姑の三人暮らしです。三人の子どもたちはそれぞれ結婚して、自分の家庭をもっています。夫は会社員、子どもたちを育てていた頃は私もフルタイムで働いていましたが、今はパート勤務です。毎日夕食を作り、まずは姑が食事をとるのを手伝い、その後片づけをします。夫が帰ってくるのは21時前後。それから夫婦で食事をします。夫の帰りが遅いときは一人で食事を済ませ、夫の為にもう一度食事を整えることもあるので、そんなときはいったい何時間台所で働いているのだろうとつくづく思います。子どもたちが小さい頃は姑のほかに舅とその母も同居していたので、合計8人の食事をずっと作ってきました。それが当たり前の主婦の役割だったのです。

しかし、最近思うのです。「もうそろそろ私が食事担当じゃなくていいんじゃないの」と。

ある日の夕食後、いつものように席を立ち、居間のソファーに座ってスマホをながめ始めた夫。そんな彼の背中に思いきって声をかけました。「私も片づけはしないでのんびりしたいなあ」。返ってきた夫のセリフ「じゃあ、片づけはあとにして、ゆっくりしたらいいじゃん。ぼくはそのままでもかまわないよ」。これに私は「いっしょに片づけてほしいなあ」、夫は「今はゆっくりしたいから、あとにして」。私「よごれたまま放っておくのは落ち着かなから、すぐに片づけたいんだけど」、夫「あとでいいでしょ」。もう、こうなると夫は意地でも動きません。そのまま置いておけない私も悪いのですが、結局私が片づけてしまうことになりました。

そして、先月の父の日のこと。次男夫婦が遊びにやってきて、ある光景を見ることになるのです。うな丼を作ろうと材料を買ってきてくれたので、私と息子夫婦三人で夕食の準備をしました。うな丼と味噌汁、茄子の天ぷら、サラダにお漬物。みんなで食卓を囲み、団らんのひと時を過ごすことができました。食事が終わって、さあコーヒーでも入れましょうとなったとき、息子が当然のように食卓の食器を片づけ始めたのです。その手際のよいこと。あきらかにいつもの習慣となっていることが見てとれます。息子は奥さんと一緒にてきぱきと食器をシンクに運び、スポンジに洗剤をつけ淡々と食器洗いを済ませていきます。二人で楽しそうに片づけを終え、コーヒーをいれてくれている様子を見ると、素敵な夫婦だなあとうらやましく思えたのです。

二人が帰ったあと、「夫婦であんなに料理を作ったり片づけができるなんて、すごいね」という私に、夫は「○○(息子の名)は小さいこ頃からやりたがりだったし、学生のとき一人暮らしも経験してるしな」との返事。(いやいや、あなただって学生時代は一人暮らしだったでしょう)と心の中でツッコミをいれる私でした。

しかしその後、夫に小さい変化があったのです。いつものように夕飯を食べた夫は、立ち上がると食器を持ってシンクに運び、ガチャガチャと音をたてながら食器を洗ってくれました。気づかないふりをしていた私は(さあ、片づけようか)と言わんばかりに台所へ行き、大きな声で「あれ。洗ってくれたんだ。ありがとう」と、黙って新聞を読んでいる夫に声をかけました。洗ってあったのは自分の食器だけで、味噌汁の鍋はそのままだったし、シンクも調理台も水はねでびしょびしょでしたが、この行動を起こしてくれた夫の心に中に息子夫婦の姿があったのは間違いありません。変わろうとしてくれた夫と息子夫婦に感謝した出来事でした。

関連記事「言っても片づけてくれない」人を動かす「片づけ3つの案」とは

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP