亡き息子との思い出を整理。「過去を生きる」のをやめるためにはじめたこと/原田さよ

亡き息子との思い出を整理。「過去を生きる」のをやめるためにはじめたこと/原田さよ pixta_24971014_S.jpgこんにちは。「さよのシンプルライフブログ」を主宰している原田さよと申します。このコラムでは、人生後半をラクに暮らすための片付けについて、苦手でも続けることのできる方法や、やる気を維持するコツなどについて書いています。

前回の記事→「いざ」にそなえて入院時に必要な物のリストを作っておこう

もうすぐ「こどもの日」ですね。毎日が発見ネットの読者のみなさんは、この日に思い出はありますか?お子さんと、あるいはご両親と。私の息子は重度の知的障害を持っていました。その子が亡くなったのが、5年前の5月でした。今日は、息子との思い出を整理していこうと決めた私が、いま何をはじめたかについて書きます。


段階を踏んで思い出のものを手放していく

亡くなって5年。まずこの春にしてみたのが、息子のお気に入りだったぬいぐるみやおもちゃを手放すことでした。それがスムーズにできたら、ほとんど出すことが出来なかった鯉のぼりも手放そうと決めていました。

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息子は、おもちゃにも絵本にもほとんど興味を示さない子どもでしたが、好きなものには執着しました。最も気に入っていたぬいぐるみは棺に入れてもらったものの、残した方は息子の部屋にずっと飾っていました。最近、それをそのままにしてあるのが気になってきました。そこで今回、それらのおもちゃやぬいぐるみの一部を、寄付を受け付けているNPO法人へ送りました。

送ったのは「特定非営利法人 国際子ども友好協会」です。

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さて、次は鯉のぼりです。それは大きくて、田舎の広い家や畑には似合っていました。でも息子は喜ばないだけでなく、私が鯉のぼりを出そうとすると落ち着かなくなったり機嫌が悪くなったりするようになりました。

息子が鯉のぼりを喜ばなかったのは、母親の私の様子が、ふだんとは違ったからです。ふだんと違うことがとても苦手だというのが、この障害を持つ子の特徴なのです。

私は、変わった成長の仕方をする息子からいっときも目を離せなくなっていたうえに、天気を見ながら出したりしまったりしなければならない鯉のぼりの世話が大変で、いつもピリピリしていました。それを息子は敏感に感じ取っていました。

亡き息子との思い出を整理。「過去を生きる」のをやめるためにはじめたこと/原田さよ sayo08_03.png30年経っても色褪せがなく綺麗でした。両親と買いに行ったときのことを思い出します。

だんだん私は、鯉のぼりを出さなくなりました。両親に対して申し訳なかったし、当たり前のことをしないという辛さもありましたが、自分も息子もラクでいられる方を取ってしまいました。息子を慣れさせていこうと思う余裕も、ありませんでした。あれ以来、鯉のぼりを見ると必ず当時を思い出してしまい、苦しくなるのです。今もそれは変わりません。

ですがそろそろ、「過去に生き続ける」自分を変えていこうと思いました。

よくテレビなどで、たくさんの鯉のぼりがいっせいに大空を泳いでいる画像が流れますね。私は、うちの鯉のぼりも毎年ああいうふうに出して皆さんに見てもらえたら、どんなにいいだろうと考えるようになりました。わが家の押入れで20年以上も保管されているより、ずっと良いのではないかと。

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調べてみたところ、鯉のぼりは想像していたより多くの自治体で寄付を受け付けていました。そこで私は、近いところを探して、送ることにしました。

寄付をしたのは高槻市が開催する「こいのぼりフェスタ1000」です。

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自分で決めて、自分で手放せるうちに

「過去も思い出も一気に手放す勇気がないからこそ、今から整理していこう。早すぎることはない」。苦手な片付けを続けるうちに、私はそう思うようになりました。

息子のものを手放す罪悪感が完全に消えることはないでしょう。でも、ずっと置いておけば、それはやがて娘に管理を任さねばならないものになっていきます。親として、それは出来るだけ避けたいです。

わが家のようなケースではなくても、しまい込んだままの子どもの思い出のものを、今後どうするか迷っている人がおられるかもしれません。よかったら、いちど具体的に考えてみてはいかがでしょうか。誰がいつ、どのようにするか。「こどもの日」はひとつのきっかけになると思います。

過去・現在・未来。みなさんは、どれを大切にしたいですか。

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亡き息子との思い出を整理。「過去を生きる」のをやめるためにはじめたこと/原田さよ 2017.4.21 毎日が発見プロフィール画像用1.jpg原田さよ
FC2ブログ公式ブロガー。累計1350万PVを誇る大人気ブログ「さよのシンプルライフブログ」主宰。1963年生まれ。もともと片付けが苦手で、スッキリした暮らしとは程遠い毎日を送っていたが、50歳を節目に家の大片付けをはじめる。部屋が片付くにつれ、生きやすくなっていることに気付く様子を綴ったブロクが人気を集め、書籍化に至る。まもなく娘が結婚、近くに住む義母との2度目の同居も控え、コツコツと片付けを続けている。著書に『今日からだれでも、片づけ上手。モノ、迷い、重たい気持ちとサヨウナラ』(SBクリエイティブ)。

 

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