こんにちは。斗比主閲子と申します。
アラフォー、既婚、複数人の子持ち、二世帯住宅在住、富裕層(※)です。
※富裕層は純金融資産1億円以上の世帯(野村総研定義)
【前回】「投資用の口座」の選び方は? 私がネット証券で「証券口座」を開設した理由
我が家は夫婦ともに働いていますが、10年前後で仕事量を押さえるつもりです。
完全に仕事を辞めてもいいし、健康のためにちょっと働くのでもいいし、いずれにしても、今ほどは働かないつもりです。
実を言うと、将来、仕事量を減らして、収入が減っても暮らせるように、我が家では15年以上前から投資をしてきました。
流行りの言葉でいうところの『FIRE』を実現しようとしていたわけですね。
『FIRE』は『Financial Independence, Retire Early』の略で、経済的自立をして、早期にリタイアするという意味で、流行りの発端はアメリカの若者です。
アメリカは世界で最も資本主義が進んだ国で、そんな中で長いこと労働者として働くことに魅力を失った若者たちが、若いうちからお金を貯めて、溜まったお金を投資して、一定程度資産が増えたら、仕事を辞めよう......と、そんな発想で、『FIRE』が一大ムーブメントになったそうです。
それで、『FIRE』の本場であるアメリカ在住の若者とたまたま仕事で話す機会がありました。
仕事の関係ではありますが、少し仲良くなったので、今後の人生について話題を振ってみると、彼女も『FIRE』を狙っているということでした。
私から「いくらぐらい資産を増やしてからFIREするつもりなの?」と聞いてみたら、「3 millionぐらいかな」とのこと。
3millionは3百万ドルで、日本円だと4億円になります。
私は脳内ですぐに計算して、「3 million!? そんなにお金が必要なの??」と聞いたら、「3 millionは全額そのまま投資をするつもりだけど、家族四人での生活費を考えると、それぐらいないと安心できないと思う」とのことでした。
日本人の感覚だと4億円ないと安心できないと言われると驚きますよね。
さすがに日本の銀行預金の金利じゃ全然増えないけど、今のアメリカの銀行金利は4%ぐらいですから、4億円×4%で1600万円/年になります。
大金です。
なんでこんなことになるんでしょうか?
ネタバラシをすると、アメリカでアーリーリタイアのハードルが高いのは、生活費が日本より圧倒的に高いのが背景にあります。
どこに住むかにもよりますが、物価は日本より平均的に高いし、何より、国民年金も、国民健康保険もありません。
日本だと国民健康保険の支払いは年収が低ければそんなに高くありませんが、アメリカだと、私的な保険に家族四人で加入すると毎月10万円ぐらい、当たり前にかかります。
日本のように、年金制度があり、国民は誰もが安価に高いレベルの医療を受けられる国は、世界でもそんなに多くありません。
中国や韓国もそうだし、アジアの新興国では、年金は大抵は貧弱です。
日本と同じく国民皆保険制度があるイギリスも、医療を受診するには待機期間があったりします。
そんなわけでタイトルになるんですが、日本は『FIRE』をするのに凄く向いている国なんですよね。
アーリーリタイアしても他国と比較すると生活費がそんなにかからないんです。
他の人にも、私やアメリカの若者と同様に『FIRE』をしたほうがいいなんて私は考えていませんが、もし、アーリーリタイアするか悩んでいる人がいるなら、アーリーリタイア後の生活費の算段をしてみることをおすすめします。
私みたいにアーリーリタイア後に資産運用するかで、生活費の水準は多少は変わることはあっても、健康保険がそれほどかからず、ある年齢になってからは年金も貰えることを想定すると、意外とハードルが高くないことに気付くはずです。
今日のところは以上です。 ではでは!!
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