「お母さんを捨てないで」モラハラ夫からの逃亡に成功。しかし息子への「依存」からは抜け出せず/chii

私と息子がモラハラ夫の元から逃げ出して丸8年たちました。

最初に借りたのがワンルーム一間のアパートでしたが、そこはモラハラ夫に場所がバレてしまい、連日、押しかけてくるようになりました。

【前回】「母さん、もう逃げよう」モラハラDV夫から15歳息子を守らなければ...母の「大きな決断」/chii

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息子の名前を呼んで、「○○!帰ってこい」と叫ぶのです。

息子は言われるままに帰ったこともありましたが、やはり父親と暮らすのは絶対に嫌だったようです。

それで再び逃げることにしました。

夫にバレないようにコソコソと、もっと遠くへ引っ越しました。

そのアパートは、家賃5万、駅まで徒歩5分の2DKでした。

駅近で5万円はあり得ない安さです。

周りのアパートは、同じ間取りで8万円以上します。

2DKで5万円という破格の家賃なので、よく確認もせずに契約してしまったのです。

住んでみないとわからないことは、たくさんありました。

まず、住んでみて最初にわかったことは、昼間でもまったく日があたらないということでした。

仕方なく昼間から電気をつけていました。

台所兼リビングは10畳近くあって、それに6畳が2つ、壁で仕切られているので私と息子は自分の部屋を持つことができました。

息子は17歳にしてはじめて自分の部屋を持てることになったのです。

嬉しそうにカーテンやじゅうたんなどをそろえていました。

10畳近いリビングですが、冬は隙間風もひどく、こたつを購入してそこにもぐりこんでいました。

木造アパートなので、石油ストーブもガスストーブも使用禁止だったのです。

私の部屋でエアコンを入れて、息子が自分の部屋で電気ストーブをつけて、そこで電子レンジをつかうと途端にブレーカーが落ちてしまいました。

電気の容量が20アンペアしかなかったから、いっぺんに使ったらブレーカーが落ちてしまうってわけです。

夜遅くに真っ暗になった時は、本当に困ったものです。

大家さんが、30アンペアにしましょうかと言ってくれたのですが、 電気代の節約にもなると、あえて20アンペアのままにしました。

そして梅雨になり、困ったのは、湿気が異常だったことです。

仕事から帰ってくると、ここはスチームサウナか?と思うほどの湿気。

じとっーとした空気が、充満していました。

この湿気で困ったのは、カビが生えやすいことです。

放っておくと食器棚にもカビが生えてくる始末でした。

お風呂場に窓がなくて、ぬれたままにしておくと、一日でカビが生えたのには驚きました。

カビを根こそぎ除菌できるという除菌剤を買ってきて、掃除を完璧にしてみても、一日で、カビが生えていました。

安い物件には何かしら理由があるのだと思いました。

その後、私は両目があかないほどまぶたが腫れて、眼科に罹ったのですが、診断結果はアレルギー性結膜炎。

原因はカビかほこりだと言われました。

息子は、アレルギー鼻炎に悩まされ、くしゃみと鼻水で眠れない日が続くようになりました。

こちらも、カビが原因です。

彼は、引っ越したいと言い出しました。

それも東京で一人暮らしをしたいと。

東京の大学へは2時間近くかかっていたので、通うのも大変だったのです。

私は、泣いて止めました。

「お母さんを捨てないで」と。

モラハラ夫との共依存から抜け出しても、今度は息子に共依存していたのです。

誰かのために生きることでしか、自分を保てないというやっかいな共依存でした。

結局、一人暮らしをしたいと言い出した息子を手放すのに、1年近くかかりました。

私たちがそれぞれ一人暮らしを始めて、今年の8月で2年になります。

一人になるのが、怖かったけれど、今はもう慣れました。

遅い子離れだったと思います。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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