「母さん、もう逃げよう」モラハラDV夫から15歳息子を守らなければ...母の「大きな決断」/chii

モラハラDV夫の地獄のような結婚生活から逃げて、9年めになります。

本当にさまざまなことがあり、自分でもよくここまで乗り越えてきたなと思います。

【前回】モラハラDV夫から逃げて貧困母子家庭に。息子の「大学受験」はとにかくお金がかかったけど.../chii

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今までどのような結婚生活だったかを書いてきましたが、なかなか逃げる決断ができなかったのは経済的な理由からでした。

スーパーのパート勤務で食べていけるのか、54歳にして正社員に転職するべきなのかと、いろいろ悩みました。

私が家を出る決断の後押しをしてくれたのは、児童相談所の女性相談員の言葉です。

「お子さんのために逃げる勇気をもって、お金は何とかなるから」と、助言をしてくれました。

その時に思ったのは、私自身は我慢さえすれば生きていけても、このままでは子どもの人生もだめにしてしまうのでは?ということです。

当時、娘はすでに家を出ていたので、守らなければならなかったのは15歳の息子でした。

高校受験を邪魔するような父親を無視して勉強していた息子から「母さん、もう逃げよう」という言葉を聞くことになりました。

その言葉から3カ月後、警察沙汰になった暴力を受けました。

コツコツと貯めていた逃亡資金はわずかに10万円ほど。

やっていけるのか不安に思ったけれど、逃げるなら今だと決断したのです。

まず礼金敷金がゼロの10万以内で借りられる物件を探したのですが、そんなによく考えずに、引っ越しは自転車でできるようにと近距離のワンルームアパートを契約したのです。

8畳一間のワンルームでしたが、4畳くらいの広さのロフトがありました。

礼金敷金はゼロ円でも初期費用はそれなりにかかり、不動産会社に10万円を払い込み、持ち金はほぼなくなってしまいました。

アパートを契約してから、夫の目をぬすみ、息子と二人で引っ越しをすすめました。

自転車と徒歩で何度も往復して。

家財道具は小さなテーブルとカラーボックスのみで、その他二人分の衣類と勉強道具、食器も持ち出しました。

文字通り、無一文の何もない状態で母子家庭生活をスタートさせたのです。

持ち金がほぼなくなり、そこからはキャッシングとカード払いでしのいでいました。

まず買ったのが、安い布団セット二組、枕、布団、掛布団で1万くらいだったと思います。

次に購入したのが、テレビと冷蔵庫、これはネットオークションで格安で手に入れました。

給料が出るまでは、食費はカード払いにし、高校の学費はカードローンでお金を借りました。

どんどん膨らんでいく借金に、不安だったけれど、とにかく必死でした。

高校生になった息子は、アルバイトをはじめて、自分の物は自分で買うようになり、たまに食費をくれたこともありました。

私はインターネットで副業をみつけて、夜はパソコンに向かって仕事をスタート。

だんだんと借金せずに生活することができるようになっていったのです。

年頃の息子との息がつまるようなワンルーム暮らしを経て、元わが家から、さらに遠くへ逃げました。

日の当たらない2DKの古アパートだったのですが、息子はアレルギーに悩まされました。

その後、それぞれワンルームを借り、一人暮らし、今に至っています。

カードーローンの借金をすべて返すのに、5年ほどかかってしまいましたが、すべて完済、残るは教育ローンだけになりました。

62歳の今、老後資金というものもなく、年金も少ない私です。

老後の不安がないと言ったらうそになりますが、今は、逃げてよかったと心から思います。

一番は、息子を守れたこと。

息子は今月、大学院に進学、社会人になるまで、あと二年です。

好きな研究を続けて、なりたい職業もあるそうです。

あの時、逃げていなければ、彼は自分の夢をあきらめていたと思います。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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