20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
友人たちとパリ旅行を楽しんできたという中道あんさん。実はひとり旅の予定から4人の友人たちとの賑やかな旅に。今回の旅の経験も踏まえ、"はじめから終わりまで楽しめる"友人と長期旅行に出かけるときのコツを教えてくださいました。
【前回】私の周囲にも増えている、「介護リターン」によるセカンドライフのスタート
友人と4人でパリ旅行に行ってきました。
元々はひとりで行く予定だったのですが、10人くらいの食事会で、なんとはなしに「今度パリに行くんですけれど、一緒にどうですか?」と声をかけたら、なんと速攻で集まったのです。
その決断力の速さに驚きました。
友人たちはその日のうちに航空チケットをとりホテルを予約するという手際のよさを発揮。
中にはパスポートの期限が切れていて慌てて手続きするという人もいて、彼女たちからすると降って湧いたような突然の8日間の海外旅行だったとは思います。
だからこそ、楽しい時間にしたかったのです。
友人とはいえ、普段SNSでやりとりするというような密な関係ではありませんが、みんなブログをやっていてお互いフォローしているという状況。
リーダーシップを発揮するのは誘った私。
グループをまとめるサポーター役のAさん。
おっとりとして穏やかな癒やし系のMさん。
私はついていく! と宣言する最年少のIさん。
それぞれキャラが立っていてなかなかユニークな4人組。
現地のホテルの前でタクシーを待っているとポーターに「家族ですか?」と聞かれるほど、和やかだったのでしょう。
そういう風に見えたのはきっと私たちが楽しんでいたからです。
今回の旅の経験を踏まえて、はじめから終わりまで楽しめる、友人と長期旅行に出かけるときの7つのコツをお伝えします。
1.事前のコミュニケーション
Web会議ツールを使って旅行の目的や期待していることを事前に話し合いました。
例えば私が希望していたことは、美術館巡りをじっくりしたいことと、美味しいレストランに行くこと。
話し合いの上、4人が共通して行きたい美術館だけを事前に予約して一緒に行動することにしました。
「私が行きたいから付き合って」ということはナシにして、お互いの希望を把握して、それに乗るか乗らないかをしっかり確認しておきます。
お互いの希望や興味を理解することで、現地でのズレを防ぐことができます。
2.カレンダーアプリで共有する
事前のコミュニケーションを活かして、カレンダーアプリで行程表を作りました。
4人が一緒に行動する予定を書き込み、その他はフリー。
あまりガチガチに予定を立てずに柔軟に対応できるようにします。
1日目にホテルに到着したのは夜の7時頃。
予定では、フランスの大衆食堂にいくつもりでしたが、みな疲れている様子だったので、予定を変更してホテルの中庭にある素敵なレストランでワインを乾杯して軽く食事をとりました。
旅を楽しむためには妥協や譲歩を心掛けて対立を避けるようにしましょう。
3.役割分担をする
ひとり旅では、自分が何もかも引き受けないと前には進みません。
でも、グループなら誰かがやってくれると、無意識で頼ってしまうものです。
それが後々の人間関係に亀裂を生む可能性はあります。
ですので、役割分担は大事です。
Aさんには、行きたいというシャルトルの大聖堂までの電車のチケットをまとめて取ってもらい、その日はリーダーになってもらいました。
移動のタクシー代を立て替えるのはMさん。
私はというと「食べることはお任せください!」と宣言し、レストランのチョイスと予約係に。
このように計画や実行に役割分担をすることで、負担を軽減しスムーズに進めることができます。
4.個別の時間を持つ
意見が合わない場合は、お互いに譲り合う姿勢が大切です。
AさんとMさんは教会や美術館に深い興味や関心があります。
一方で、私とIさんは見ていてもそこまで深くは分からないのです。
そんな時は、AさんとMさんがペアになり、私とIさんは別行動。2人がじっくり文化に親しんでいる間、私たちは街歩きを存分に楽しんで、カフェでお茶したり雑貨巡りをしたりしていました。
常に一緒に行動するとストレスが溜まりやすいので、時には個別の時間を持ち、それぞれがリフレッシュする機会を設けるといいでしょう。
今回の旅では、5日間はスケジュールをキチンと立てていましたが、残りの2日間はフリータイムでお互いに自由にすると決めていました。
余裕のあるスケジュールが心にゆとりを持たせてくれます。
5.感謝の気持ちを伝える
それぞれが、小さなことでも感謝の気持ちを伝えることで、お互いの関係が良好に保てます。
相手をリスペクトする姿勢を失わないこと。
自分が楽しい時間を過ごせているのは他の3人のおかげなんだ! ということに気づければ、「ありがとう!」という気持ちが自然に湧き起こってきます。
旅の最中にたくさんの「ありがとう!」を伝え合いました。
6.冷静に相手の意見を聞く
「私は、○○がしたいけれどあなたはどうする? どう思う?」と相手の意見を聞く姿勢も大事です。
4人もいれば、自分とは違う視点をそれぞれが持っているものです。
自分ではベストな答えだと思っていても、別の視点からはそうでもなかったりします。
旅行中に何か問題が起きた場合や意見が合わない場合は、冷静に相手の意見を聞きましょう。
7.予算の設定
今回の旅の課題だなと思ったものは、実はこの「予算の設定」。
私たちは、旅行前に予算を明確にし、どのくらいのお金を使うかを決めていませんでした。
というのも、そもそもひとり旅の予定で飛行機やホテルを取ってあったので、友人とは予算について話をしていなかったのです。
友人たちが、私に合わせてくれる形になってしまったので、そのポイントが抜けていたと反省しています。
もしもっと前に計画し準備期間があれば、飛行機やホテル代なども抑えられたかもしれません。
お金の使い方は人それぞれなので、旅行前に予算を明確にし、どのくらいのお金を使うかを話し合っておきましょう。
そして 、ワリカンなどにする時には、お互いに納得のいく形で管理しましょう。
私たちは、それぞれメモ帳に手書きしていましたが、アプリを活用すると、誰が誰に何円返せばいいのか迷わなくなります。
この下調べが今回は不十分だったなと感じました。
誰かと旅をすることは、お互いの性格や習慣、価値観がより深く見えてくるため、相手を好きになるか嫌いになるかの分かれ道になることが多いと思います。
これらのコツを実践することで気持ちをオープンにしていくと、友人との長期間の旅行がスムーズに進み、楽しい思い出を作ることができるでしょう。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。