皆様こんにちは、『ぼっちシニアの幸せ探し貯金日記』の管理人"くるぴた"です。
前回▶▶【実母が不倫】ごく普通の主婦だった母を、熟年不倫に導いたセールスウーマンの謎
幼い頃から、横暴な父のせいで両親が不仲なのを知っていた私。
そのため母の不倫には口出しをしないことにしたのですが...
娘が黙認すると分かってから、母の『不倫』というものに対する感覚が少しおかしくなっていったような気がします。
その辺りから、母がちょくちょく不倫エピソードを私に語るようになったのですが、ある日、絶句するような話を聞くことになりました。
下の弟がまだ2〜3歳だった頃、弟を連れて不倫相手とホテルに行ったというのです。
その後、何年か経ち、少し成長した弟に 「お母さん、あの時のあれ、どこだったの?」 と人前で聞かれ、慌ててごまかしたとか。
別に不倫を応援するつもりなんてないのに、こんな話をされても迷惑です。
最初は母も結婚生活で辛い思いをしてきたのだから仕方がないと思っていたけれど、こういう話題が繰り返される度に、徐々に嫌悪感が湧くようになっていきました。
それでも、まあ、母は母、私は私。
自分には直接関係ないこと。
そう思っていたのも束の間、その後、もっとギョッとするようなことが起こるとは...
それは私が二十歳を迎えようという頃のこと。
成人式を目前にして、母が父に尋ねました。
「お姉ちゃんの成人式、お父さんが車で乗せてってやってくれない?」
「はあ? そんなもん、勝手にタクシーでも拾っときゃいいだろ」
聞いて即座に断る父。
当時の式の会場は電車では少し不便な場所にあり、ほとんどの人が家族に車で送ってもらうか、自分で運転して行く形でした。
最初に美容院に行って、着物の着付けをしてもらってから会場に向かうので、タクシーでは難しいのです。
父は自営のため、まず美容院に送ってもらい、着付けが済んだ私を再び拾って会場に乗せて行くのは不可能ではないのですが、基本的に家族を顧みないタイプなので、やっぱりという印象しかありません。
それでも会場までの足がなければ困るので、どうしたらいいか、困っていました。
ところが数日後、母がとんでもないことを言い出したのです。
「あんたね、お父さんが送るの嫌だっていうから『例の人』にあんたを送ってもらうように頼んだわ」
さすがに驚きました。
いくら夫に断られたからといって、娘の成人式の送り迎えを自分の不倫相手に頼むなんて...
こちらとしても人生で一度しかない成人式なのに、そんな人に借りを作ったら、これからの人生にケチがつきそうで、正直イヤでした。
母には「あまり気乗りがしない」とは伝えたものの、実際のところ当日は思うようにタクシーも捕まらないでしょう。
田舎なので大半の人は車を持っていて、そもそもタクシーの台数が少ないのです。
それで結局、『例の人』に送迎をしてもらう事になってしまいました。
微妙な気持ちで迎えた成人式の当日。
初めて会った『母の彼氏』の印象は、両親より少し上の世代の普通のおじさんといった感じでした。
父は小柄でしたが、その人も小柄。
ただし細身の父とは違い、ずんぐりした体型です。
口調と声のトーンが営業マンっぽい雰囲気で、乗ってきた車が営業用のワゴン。
横腹には会社名が入っています。
(こんな身元が分かる車に乗ってきていいの?) と、思わず心の中でツッコミを入れてしまいました。
その社用車に3人で乗り込んで美容院まで送ってもらい、着付けが終わったところでまた迎えにきてもらって、成人式の会場へ。
道中、運転席と助手席で母と不倫相手の人が話し込んでいたけれど、後部座席に座る私の耳に、2人の会話はほとんど入らず、頭の中は (私は何をやってるんだろう......?)と自問自答で一杯でした。
会場に着いてから開会までの待ち時間、母との会話はあまり弾みませんでした。
何か話そうとしても、『例の人』のことを詮索してしまいそうで、でもこんな場所でそんな話......みたいな気分でした。
周囲を見ても、私が高校3年の3学期という半端な時期に別の市に引っ越したため、知っている人は高校で一緒になった数人くらいしかおらず、しかもとくに親しくもない人ばかり。
そのまま成人代表や市長さんの話を聞いて、帰り際に白いアルバムを受け取ると、友人同士でどこかに行く他の成人達の隙間を縫うように駐車場に行き、3人で会場を後にしました。
車中、見知った風景に差し掛かるまで、母とその人は何か話していましたが、内容は全然覚えていません。
自宅からある程度離れた場所に着くと、私は母と一緒に車から降ろしてもらいました。
家までの道すがら、母と何か話した記憶はありますが、こちらも内容はさっぱり忘れてしまいました。
釈然としないまま家に着いて、父が仕事から帰宅して、微妙に居心地の悪さを感じたけれど......
それもまた時間と共に日常に埋没していきます。
こんな不自然な状況を認めた私も、とっくにまともな感覚を失っていたのかもしれません。
ただ、いつか必ずこの家からは離れようとだけ、静かに決心したのです。
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