<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ドラマ好き女
性別:女
年齢:52
プロフィール:1人の子持ちです。フルタイムで働いています。義両親と同居中。別居してくてマンションの頭金のため、節約の日々。
悲劇のヒロインに成りきる義母(75歳)に演技に毎回騙され、振り回されて困っています。
ある日、叔父さん(義母の弟72歳)が救急車で病院に担ぎ込まれたと連絡があり、義母が叔父さんの病状の説明を聞きに病院に行ってきました。
帰ってきた義母は誰の目にも明らかに落胆しています。
恐る恐るどうだったか聞くと「ちょっと時間を頂戴」と部屋に入ってしまったのです。
これはただ事ではない! と思い、ケーキとお茶を用意し、義母がダイニングに来るのを待って話を聞くと、深刻そうに話だします。
「お医者様は大丈夫と言っているが、多分難しい」
「弟が居なくなると、親や家族の思い出話をする人がまた居なくなるわ」
「この先どうしたら良いのかしら、寂しくなってしまって......」
涙ぐみながら言う義母に、私もうるっとしました。
「お義母さん、お医者様が大丈夫と言っているので、きっと大丈夫ですよ。私もお見舞いに行きます」
義母の手を取り慰めました。
早速、休暇を取って病院にお見舞いに行きました。
病室の叔父さんに具合を聞くと、けろっとした表情で教えてくれました。
「胆石。苦しかったけどもう出たから大丈夫! 退院の日取りも決まりそうだ」
叔父さんはテレビを見て大笑いし、元気ハツラツとしているではありませんか。
私が帰るというと、「帰りに売店で雑誌を買うから、送るよ」とサッサと歩いて病院の出口まで見送りをしてくれました。
想像と違いすぎる光景に唖然としました。
帰宅し病状を説明すると「良かった......」と、ヨヨと泣き出す義母。
やられた...と気付き、私は疲れが倍増しました。
またある時、義母が「姉が嫁にいびられて可哀そうで辛い......」と涙ぐみながら言うのです。
叔母さん(義母の姉80歳)はフルタイムで働く嫁(50代)に代わって、孫の世話から家事全般もこなし、おまけに毎日畑仕事をしているパワフルな女性です。
「世間体があるから表向きは明るくしているけど、本当は我慢我慢の毎日で気の毒......」
そんな叔母さんが虐められていると聞いても、私は信じられませんでしたが、義母は深刻げにそう話します。
そんな叔母さんから野菜がたくさんとれたので取りに来てほしい、と連絡があり、義母は予定があったので私が代わりに行きました。
日焼けした叔母さんはとても健康そうで、孫の事、家の事、畑の事、毎日忙しいと笑っていました。
お嫁さんに「最近、どうですか?」と聞くと、明るく近況を教えてくれます。
「お義母さんが全部やってくれるから、家のどこに何があるかも判らないわ。計算も頭の回転も物凄く早くて本当に元気なの。私なんていつも怒られてばっかりよ。私の方が先にボケそう。ねーお義母さん」
「嫁さんは何も出来んし、私が居なきゃ生きていかれんのよ。私が介護しているようなもんよ」
そういって2人で笑っているのです。
言いたいことを言いながら、仲良く野菜を仕分けしている姿を見て、私は2人が本当の親子のように見えました。
またも唖然として家に帰り、義母に事の顛末を話すと「良かった......」とヨヨと泣き出し...私は疲れが倍増しました。
義母は若かりし頃に女優を目指し、小さな劇団に所属していたこともあるようです。
私はいつも義母の演技に騙されて右往左往していますが、いつの日か演技を見抜き、義母をギャフンと言わせたいと思っています。
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