大正生まれの実母より先には逝けない!末娘65歳の胸中

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ペンネーム:梅雨入り宣言
性別:女
年齢:65
プロフィール:68歳の夫と暮らす妻。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

私の母は大正10年の生まれで、もうすぐ98歳になるという高齢です。兵庫県の神戸市で暮らしていますが、第二次世界大戦や阪神大震災という大きな修羅場をくぐってきた人の強さというか、いろんなことを受け止めながら、流れに任せつつ生きていく人で、体は小さいけれどその精神力の強さをここへきてとても感じています。

石川県の金沢に嫁いだ私にとって、神戸に住む母は懐かしく大切な存在です。20年前に父が亡くなり、三姉妹はそれぞれ嫁いでいるため、母は80歳で街中のケア付きマンションに移り住みました。趣味のサークル活動や友達とのおしゃべりを楽しみに一人暮らしをしていましたが、88歳のころから転倒による骨折をしたり、硬膜下血種で手術をしたり、肺癌が見つかったりと入退院を繰り返すようになり、ヘルパーさんやマンションのコンシェルジュの方、ご近所の方に助けられての生活になりました。が、やはり心配なことが重なりみんなで相談し 山手の老人ホームで暮らすようになりました。

ホームの職員さんは優しいし、夜間も覗いてくださるなど行き届いたケアが安心で、本人もコーラス等の行事に参加して、楽しく暮らしています。まだ家族のこともしっかり分かっているし、お金の管理もそこそこしっかりしていて、いつも我々娘たちのことを心配してくれています。

「体に気をつけてね!」とか「運転、気をつけてね」「夫さんによろしくね!」等いつまでも親なんだな~と、おかしくもなったりもします。

私が会いに行って帰るときには必ずエレベーターのドアのところまで送ってくれて、小さなしわくちゃの手で握手しながら「またね! 元気でね!」と挨拶するのですが、年々母の体が小さく枯れてゆくのが分かるのです。来月は元気で会えるのかなと、不安を持ちながら毎回別れるという感じです。

神戸の街が一望できる立地条件が気に入り決めたこのホームで安心して暮らしていけるのは本当にありがたいのですが、最近は我々娘たちが歳をとってきて、長女75歳、次女71歳、末っ子の私ですら65歳という高齢者です。それぞれあちこちに不具合が出始め、健康面の不安が膨らみ始めています。友人の中には深刻な病に倒れる人や、他界する人も珍しくない年齢に達し、そろそろ自分たちが深刻な病になるのではないかと不安になってきています。

とにかく三姉妹それぞれが 自分の健康管理をしっかり頑張り、母の見送りをきちんと済ませてからでないと病気にはなれないねと、三人で励ましあいながら、親より先に逝くというような親不孝をしないために気を配る日々なのです。

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