還暦過ぎた兄の初めての親孝行。母と兄と、3人で初旅行

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ペンネーム:ゆうゆう
性別:女
年齢:55
プロフィール:私は福岡県在住で、87歳の母と二人暮らしです。去年の春、初めて行った母と兄との3人での温泉旅行の思い出です。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

私には、7歳上の兄と4歳上の姉がいます。兄は、高校卒業してからすぐに愛知県に就職し、そちらで家庭を持ってからは、冠婚葬祭以外でこちらに帰省することはありませんでした。

そんな去年の4月29日、姉の次女(24歳)の結婚式ということで、久しぶりに兄が帰省することになりました。結婚式の半年前の10月頃、当時母は入院中でしたが、兄から突然電話があり、結婚式の時は10日間位休みをとって帰省するので、みんなで1泊の温泉旅行に出かけようと提案がありました。姉にその話をしたら、どうしても仕事で休みがとれないとのことで、母と兄と私の3人で1泊の温泉旅行を計画することになったのです。

兄にとっては、今までできなかった親孝行の気持ちだったのでしょう。また、私にとっても、兄との旅行は生まれて初めてのことで、ウキウキしながらまず入院中の母にどこに行きたいかを尋ねました。母は、南九州や長崎には行ったことがないので行ってみたいとのこと。まあ、南九州は1泊はハードだし、母にとっては病み上がりの旅行だし、長崎くらいがいいのかなと、インターネットで長崎の温泉地を検索。

検索しているうちに久々に雲仙もいいなあと思い、雲仙温泉の旅館で、母のためには室内に洋式のトイレがあること、料金は兄が負担してくれるので、なるべくリーズナブルでというものをチョイス。1泊2食1万円で、館内の写真などを参考に「ここだ」と早速予約しました。

いよいよ5月1日。兄は、愛知県から車で帰省していたので、兄の車で雲仙へ出発。母は、1年近くの入院生活から解放されて間もない頃でした。久々の長旅でもあり、兄の乗り心地抜群の車の後方座席で、母はとても嬉しそうでした。

1日目は、海岸や山中を走るドライブ。途中の島原城の観光では、見晴らしのいいベンチに母と兄が座って話している後ろ姿が、何ともほほえましくありました。お昼は、海が見えるレストランでの海鮮料理。15時位に雲仙地獄地帯に面した旅館にチェックインして、部屋でひと休みをしてから雲仙地獄の観光。母は歩くことがきつかったのか、途中椅子で休み、私と兄は上まで登っての観光。

温泉にゆっくり浸かった後は、食堂で夕食。料理は和食で、1万円の割にはごちそうでした。兄は日本酒、私はビールで、3人で昔話から兄の25歳になる娘の話など、ゆっくりと食事の時間を楽しみました。そして、夜は3人で川の字で就寝。

次の日は長崎市内の観光で、グラバー園、平和公園。母は一人で歩けるものの、入院前と比べると、長く歩くと足が痛いらしく、常に私が母の手を引きながらの移動でした。私がたまたまトイレでいなかった時は、兄が母の手を引いていました。

こうしてほのぼのとした3人の旅行は、あっという間に終わってしまいました。

母は足が痛かったので、なかなか歩き周るまでの観光はできなかったですが、旅行から帰ってきてからの1ヶ月位は旅行の話ばかり。兄から手を引いてもらったのはちょっとの時間だったのに、よっぽど嬉しかったのかそのことを何人もの知人にニコニコしながら話をしていました。

昔から貧しくて、家族旅行なんてしたことがなかったので、母にとっては、初めての息子との旅行。私にとっても初めての家族旅行で、一生の宝物の思い出となりました。

「今度はお金を貯めて、2年後は鹿児島だね」と言って、兄は愛知県に帰って行きました。母は嬉しそうに「鹿児島にも行ったことがないので、楽しみだね」と。「じゃあ、それまで、自分で歩いて旅行が出来るように毎日トレーニング頑張らないとね」と、2人で話しながら、母には今度の鹿児島旅行が楽しみの日々になっています。

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