20代後半からの長い付き合い。「うつ病」が50歳の私に教えてくれたこと

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:はっさく
性別:女
年齢:50
プロフィール:両親と同居で自営業手伝いの50歳。

20代後半からの長い付き合い。「うつ病」が50歳の私に教えてくれたこと 9.jpg

私は20代の後半にうつ病を患いました。

原因は職場の上司からのイジメでした。

過食症も併発しており、これが最初の自覚症状でした。

転勤希望を出して半年ほどは頑張って通勤していましたが、転勤がかなわなかった事から堰を切ったように症状が悪化してしまいました。

イジメられている夢を見て汗をかいて目が覚めたり、仕事中に自然に涙が出てくるようになったのです。

休職もしてみましたが効果もなく、発症から約1年後に退職しました。

一生懸命勉強して試験を経て就いた仕事だったので、とても悲しかったです。

病院では仕事をせず休養するように言われ、半年ほどじっとしていました。

でも、働かない事に罪悪感を覚えてじっとしていられません。

今では自己嫌悪だったと分かりますが、周りに「怠け者」と言われているような気がしたのです。

それが我慢できず、誤魔化しながら働きだしましたが、31歳の時に無理がたたり、結局退職して実家に戻りました。

それからは実家の商売を手伝わせてもらっています。

そうは言っても満足に働けるわけもなく、両親、とくに母親とはぶつかってばかりでした。

誰も私を責める言葉を口にしていないのに、勝手にイジケては当たり散らすという面倒くさいパターンの繰り返しです。

そうして自分でも嫌になっていた45歳の春、乳がんが見つかりました。

幸い手術をして普通の生活に戻れましたが、ストレスは大きかったと思います。

手術の翌年、うつ病がガタガタと悪くなり、医師と家族の勧めもあり入院を決めました。

病院のベットに横になり、今までもがいてきた生活を振り返ってみたら、やっと「もう休養しか残ってないな」と諦めがつきました。

1週間入院をして、退院してからは、本当に何もせず徹底的に休養です。

医師の指導の通り、自分からやろうと思えた事しかしませんでした。

何もしないと1日が長く焦りも感じます。

でも、「今まで頑張ったんだからゆっくりでいいんだ」と言い聞かせていました。

気持ちが落ち着いてきてからは、少しの時間でいいから外の空気を吸う事も心掛けました。

そして、「笑う門には福来る」を念じて、とにかく笑う様にしました。

体と頭を休めて、ゆとりを持った透明な気持ちで眺めてみると、家族への被害妄想のような歪んだ考えも消え、以前のようにいじけて家族にからんでしまう事もありません。

病院に行かなくなるのが目標ですが、ちゃんと眠れて家族とも楽しく過ごせる今を大切にして、自分を追い込まない生活を続けていきたいと思っています。

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