家で寝てばかりの無口な55歳。そんな「冴えない夫」が私の山歩きサークルにビジター参加した結果...⁉

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:真珠
性別:女
年齢:53
プロフィール:主婦です。子供はおらず、55歳の夫と二人暮らしです。夫の意外な一面に胸キュンしました。

家で寝てばかりの無口な55歳。そんな「冴えない夫」が私の山歩きサークルにビジター参加した結果...⁉ 2.jpg

夫は無口で大人しく、家では、縦のものを横にもしないタイプです。

趣味もなく、休日は家でゴロゴロと寝てばかりです。

夫に対して特別に不満はないのですが、かといって、ドキドキとときめくようなことは、この20年くらいありませんでした。

そんな夫の意外な一面を知ったのは、今年(2020年)の2月にあった、私が所属する山歩きのサークルでのイベントです。

夫は会員ではありませんし、普段は私のサークル活動に何の関心も示しません。

ですが、私が今回初めて幹事を任されたと知ると、自分もビジターで参加すると言い出したのです。

日頃の行いを見る限り、連れて行っても役に立たないだろうと思いました。

それどころか、慣れない山道歩きでケガをしたり、体力がもたずに途中でリタイアしたり、みんなのペースについていけずに迷惑をかけたりするのではないかなど...「足手まといの予感」しかなかったんです。

ですので、「仕事で疲れているんだから、無理しなくていいよ」とか、「山道、けっこうキツいけど、大丈夫?」とか、暗に「参加しないでいいよ」というメッセージを送り続けました。

しかし、夫は「絶対に行く」と言って譲りません。

仕方なく、私は夫の参加手続きをしました。

山登りのイベントの当日、私は「どうか、夫がメンバーに迷惑をかけたり、ケガをしたりしませんように」と祈りながら、集合場所へ向かいました。

私の心配をよそに、夫は電車の中で居眠りをしていました。

口を開け、やや間抜けな寝顔でした。

ところが、集合場所の待合室に着くと...

夫は豹変しました。

「はじめまして、家内がいつもお世話になっています」

口元をきりりと引き締め、日頃の無口さはどこへ行ったのか、さわやかにメンバーに挨拶して回るではありませんか。

さらに、私が会費の徴収を始めると、さりげなく横に立ち、メンバーを並ばせ、会費を受け取り、釣り銭を渡してくれたのです。

おかげで、私はリストにチェックを入れるだけで済みました。

これだけでも充分に見直したのですが、夫は山歩きで、さらに「魅せて」くれました。

その日の山はハイキングとしてはけっこうキツいコースで、慣れているメンバーでも息が上がり、杖が必要な程でした。

それなのに、休日はいつもゴロゴロしている夫が、息も切らさず、杖も使わず、グングンと登っていくのです。

メンバーから「ご主人、ずいぶんと慣れているけど、山岳部出身?」と訊かれたくらいです。

頂上でみんながゼイゼイと息を切らし、汗だくになっているなか、一人で汗ひとつかかず悠々と景色を眺める夫は、自分の夫ながら眩しかったです。

「何で、こんなにキツいコースなのに平気なの?」

そう尋ねたところ、子供の頃から山歩きが好きで学生時代にはよく山へ行ったこと、普段も時間があるときは、バスや電車を使わず歩いていることなどを話してくれました。

自分の話はほとんどしない人なので、恥ずかしながら、まったく知りませんでした。

さらに、懇親会では会費の徴収はもちろんのこと、飲み物の手配や、話題に入れない人に話しかけるなどの気遣いを見せました。

メンバーからも「優しくてステキなご主人様ね」と褒められ、鼻が高かったです。

「今日の半分でいいから、家でももうちょっとシャンとして」

そんなことを頭の片隅で思いつつ、家にいる時とはまったく違う、夫の頼もしい姿に胸キュンした私でした。

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