<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆきんこ
性別:女
年齢:57
プロフィール:夫は元高校教員で現在61歳。私は帰りの遅い役所仕事です。子どもは3人います。
夫は元学校教員、私は地方行政職員です。
子どもは3人。長男はUターン就職しましたが、家からは少し遠いのでアパート暮らし、下の長女、次男は学生の為東京で別々に一人暮らしをしており、家には私と夫の2人だけで住んでいます。
私たち夫婦の仕事は残業や休日出勤が多く、以前は夫の両親と同居して協力を得ていましたが、どちらも末の息子が生まれる前に亡くなっています。
夫は亭主関白な人で、教員としても父としても厳しく子どもに接していました。教育に関しては熱心で、子どもたちは塾、そろばん、ピアノ、水泳など様々な習い事に通わせ、さらに息子2人には自ら水泳を教えていました。
「世界水泳を目指すには栄養バランスを考えた食事をたくさん食べること!」と意気込み、部活の監督を退いてからは家の食事は夫が管理して作っていました。
ところが、4年ほど前のことです。
当時長男は社会人になりたて。下の2人はそれぞれ大学院入試と高校受験を控えていました。子どもたちが勉強に専念できるよう、まだまだ仕事を頑張りながら家庭を支えねばと張り切っていた矢先、夫が定年まであと3年というところで、私に何の相談もなく退職を決めてきてしまったのです。
突然「ああ、そういや、今年度で退職することにしたから」と軽く言われ、はじめはポカンとしてしまいました。
理由を聞いてもはぐらかされましたが、それまで漏らしていた仕事の愚痴から考えて、おそらく頑固な性格ゆえに上の方と衝突したのでしょう。話したくない事情や夫なりのプライドがあるのはわかります。
でも、今まで2人で支えてきた家計が突然私1人にのしかかってきたのですから、同じ仕事でも心持ちが全く違います。
ショック、怒り、金銭面での不安、いろいろな感情が次々押し寄せてきました。もう決まってしまったことなのでどうしようもなく、それからは必死に仕事に打ち込みました。
たくさんの感情もはけ口がないまま積み重なり、未だに許せない自分がいます。
退職金は定年まで勤めた場合の3分の1程度......。もう3年だけ粘ってくれればよかったのに、なんて、いつまでも根に持ってしまいます。
退職後も夫は食事を作ってくれていますが、それ以外の家事は私がしています。
そんな私の愚痴聞き役になってくれているのが、月に何度か帰ってくる長男。厳しい父親を反面教師に育ってくれたのか穏やかな性格で、帰り際に「体だけは大事にしなよ」と気にかけてくれます。
最近、結婚を前提におつき合いしている彼女を実家に連れてきたのですが、嬉しいこともそうでないこともなんでも共有しあっている2人を見て、安心する反面、「この子は優しい男の子と一緒にいられていいなあ」と自分の息子なのに羨ましくなります(笑)。
一方で夫は、息子の彼女に「たいして片づいてない家でごめんね~。うちの家内は面倒くさがりだしズボラな奴だからさ~」と一言。退職の件で夫を信頼できなくなり、尊敬や感謝の気持ちがなくなってしまった今、こういうちょっとした一言を言われるたびに「離婚」の2文字が浮かぶようになりました。
私もあと少しで定年を迎えます。
退職したとしても、2人きりでのんびり老後を過ごすなんて到底できません......。まだ学生の娘と息子がいるので、それを理由に定年後も働き続けるつもりです。でも、心の底では夫と仲良く、子どもたちが小さい頃の話なんかをしながらゆったりと過ごしたいと思っています。ですが、私が夫を許せない限り、そんな日は来ないでしょう。
いつか許せる日が来るのか、自分でもわかりません。どうやって自分の感情と向き合っていけばいいのでしょうか......。
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