町中がパニック!「呪い」のせいでまさかの大事故に.../今宵もリアルホラーで乾杯「紅の呪い」

ディープな街にある「スナック えむ」店主、霊感ゼロのアラフォー作家、えむ。「お礼に一杯奢るから」を謡い文句に、ホラートークをしてくれるお客さまを待つ。今宵は街の大先輩ママ、のりさん(73)の話、「紅の呪い」。

※実際に身の周りで起きた実体験エピソードに基づき構成しています。

【前編】神社で「絶対にやってはいけない」タブーを犯した者の末路は/今宵もリアルホラーで乾杯「紅の呪い」

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大先輩ママ・のりさん(73)の話

みやこママと訪れたその神社は、深紅に染まった紅葉が真っ盛りでね。

記念写真を撮って帰って来たの。

帰り際、地面に落ちていた落葉も記念に持って帰って来たわ。

栞にするのにちょうどいいんじゃないかなと思ってね。

数日後、現像した写真を持ってみやこママの所へ行こうと思ったんだけど。

「えっ、何かしらこれ...」

一枚の写真を見てゾッとしたわ...。

問題の、「その写真」ね。

みやこママと一緒に神社の階段の中腹辺りで撮ったものだったんだけど...。

私たちの後方、階段を登りきる手前辺りの中央から、真っ白な蛇がうねっているような、白い影がはっきりと写っていて。

鎌首にあたる部分は、まるで私とみやこママを飲み込まんとするように見下ろしていたわ。

私は怖くなって、急いでみやこママに写真を見せに行ったの。

けれど、「あら、いいじゃない。神様が守ってくれてるってことね」なんて言って取り合ってくれない。

どう見ても禍々しい雰囲気が漂っている写真なのに...。

「どうしようかしら」

と思いながらも、時間が時間だったし、自分の店に戻って開店準備を始めたの。

そこでお通しの揚げ物を作っていた時のことよ。

突然、油が不自然に跳ね上がってね。

「熱いっ!」

普通に揚げ物をしていても「そんなに跳ね上がるわけがない」っていう量の油が、私の手の甲にかかって...。

急いで流水で冷やしたけれど、とっても痛くて、薬を塗ろうと火傷跡を見た時、思わず「わっ」と声を上げたわ。

どう見ても、紅葉の形をしているの。

真っ赤に爛れた紅葉柄の火傷跡...。

私は、読んでいた本に栞として挟んでいた紅葉を手に取り、大変なことをしてしまったのかもしれないって思ったわ。

すぐにみやこママの店へ再び行って、「もう一度一緒に参拝に行きましょう!」って誘った。

タバコの不始末と、紅葉を持って帰ってきてしまったことに神様が怒ったんじゃないかって思ったから...。

けれどみやこママはケラケラと笑うだけで取り合ってくれない。

私はすっかり参ってしまったわ。

そして、翌日のこと。

店に向かっていると消防車が数台、私の横をすり抜けて行ったの。

嫌な予感がして足早に街に向かうと、白い煙が立ち上っていてね。

みやこママの店から原因不明の出火。

数件の店が罹災してしまったのよ。

幸い、みやこママや他のお店の人たちは怪我一つなかったけれど、本当にこれは危険だと思って、翌日神社へ向かうと、タバコの不始末を精いっぱい詫びて、紅葉も境内に戻して、写真もきちんとお祓いをしてもらったわ。

改めて神社のことを調べたら、昔一度、原因不明の火事で焼失していてね。

やっぱり私たちの愚行に神様が怒ったんだと思う。

その後、何か起きることはなかったけれど、しばらくの間残ってしまった紅葉柄の火傷跡を見るたびに、「祟りって本当にあることなのかもしれないな」って思ったものよ。

※ ※ ※

「タバコの不始末はわかるんですけど、紅葉を拾ってきたことにも神様は怒ったってことですか?」

「そこは確信ではないんだけど、母に『神が祀られている場所にあるものは絶対に持ち帰ってはいけないよ』って言われたことを思い出したのよ」

「へえ。ダメなんですね」

「何かが宿ってしまっていることもあるって言われているからね。まあ、本当かどうか分からないけど」

「なるほど」

「みやこママはその後、大丈夫だったんですか?」

「少しの間はさすがに落ち込んでいたけど、店を再開させたらすぐにいつもの調子に戻って。相変わらず、酒に喧嘩に明け暮れていたわ」

「なんてパワフルな...。私、神様よりも、みやこママのほうが怖いかもしれないです」

「あ、でもね、神社には私に内緒でコッソリお参りに行ってたみたい。さすがのママも自分のしたことに反省したんだと思うわ」

そう言ってママは、ウイスキーのストレートを一気に飲み干した。

みやこママほど激しくはないけれど、のりこママも充分この街の重鎮ママの風格ね。

【今宵もリアルホラーで乾杯シリーズ】
この絵、何かがおかしい...絵の中にいるはずの女の子が/「呪われた絵」
怖い、引きずり込まれる! 夢で見た「黒い影」の正体は/「悪夢の道」
誰もいないはずなのに...! 背後から奇妙な「音」が/「祓っちゃだめ!」
え「命に危険」がある遊び、続けます?/「こっく●さん」
・体育館にうずくまる「何か」。みんなは見えて...ない?/「夜の体育館」

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著者:えむ
スナックを経営。独自にリサーチした都内のオススメ酒場は多数。夢はおんな酒場放浪記に出演すること。

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