<この体験記を書いた人>
ペンネーム:324
性別:女
年齢:38
プロフィール:旅行が趣味の主婦。
これは2008年頃、私(当時25歳)が某大手メーカーで一般事務をしていたころの話です。
所属していたチームは20代~30代前半の女子のみで構成されており、メンバーは皆一様におっとりした感じのおとなしい人ばかりでした。
しかし、そのトップであるチーム長の男性が、外見も内面も大変に癖のある男性でした。
まず確実に100kgは超えているであろう巨体。
スーツやカッターシャツはオーダーでもしない限り市販にはないサイズで、ボタンが今にもはじけ飛びそうです。
太っているからか異常に息が荒く、同じチームで仕事をしているので必然デスクも近くなる訳ですが、しんとしたオフィス内で至近距離から男性の「ハアハア」という声が聞こえてくるのはとても不愉快でした。
またチームメンバーの女の子を「姫~」と呼びます。
仕事を振る時、業務上の連絡などで話す時、常に「姫」と呼ばれ、全身に鳥肌が立つくらい気持ち悪かったです。
また、合コン気分なのか何かというとすぐに席替えをさせ、月に1回必ずチーム長主催の飲み会に参加を強いられるなどとにかくセクハラ、パワハラのオンパレードでした。
この席替えで何より地獄なのは、チーム長の向かいの席になること。
パソコンとモニターの陰からじっと凝視されるのです。
気のせいではありません、何度も何度も目が合います。
チームの女の子達はみんな、勤務時間さえ何とかやりすごせばお給料はもらえるし、またイチから転職活動をするのも面倒だし、という感じで、誰もこの異常な状況に声をあげる人間はいません。
今でこそ、職場環境においてコンプライアンスがどうの、パワハラ、セクハラなど言語道断、みたいな風潮がありますよね。
でも13年前、少なくともこの会社ではまだまだそういうワードだけが1人歩きしているような状態でした。
しかし私は我慢の限界でした。
幸い勤めていたのは誰もが知る大手で、社員が職場の悩みを相談できる窓口、ホットライン等が充実しておりました。
私は早速電話し、上司に関する数々の不愉快なできごとを話しました。
担当の方は至って事務的でしたが、いろいろヒアリングして社内調査に入りますということでしたので、何らかの対応はあるだろうと思っていました。
しばらくするとグループ長が社員1人1人と面談したい、と突然来社することになり、初めての事態にオフィスは何事だろうとざわついていました。
グループ長は面談で私の話を真摯に聞いてくださいました。
同じチームの女子も、あのセクハラ上司への不満をグループ長と1対1でなら少しは吐き出せたのではないでしょうか。
しかし結論から言って、チーム長は何の処分もありませんでした。
いや、もしかすると、給料を何割カットだとかこちらからは見えないところでのペナルティは課せられたかもしれません。
でも期待していたどこか違う部署に飛ばされる、とか業務上関わらなくて済むようになる、などの分かりやすい措置はなく、またいつも通りの日常が戻ってきたのです。
本人に口頭注意ぐらいはあったのか、さすがにメンバーを「姫」と呼ぶことはなくなり席替えの回数も少なくはなりましたが、相変わらず飲み会の誘いはありましたし、何だかがっかりでした。
よほどあのセクハラ上司はチームに必要な人材だったのでしょうか。
私は馬鹿らしくなり、その後さっさと転職しました。
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