82歳で22歳下の男性に恋をした。激しい感情に身を任せた2年間を経た今、思うこと
『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』(アスコム)は、59歳の女性が抱く「老いへの不安」に、88歳の女性である著者が温かく答える手紙集です。目次には「老いるのがいやでたまらない」「母と娘の関係」など、大人の女性なら誰もが共感するリアルなテーマが並びます。年齢を重ねる葛藤や変化にユーモアを交えて率直に触れつつ、その先にある「人生を愉しむ自由」を優しく教えてくれます。今回はこの本の中から、これからの人生にワクワクした希望をくれるメッセージをご紹介します。
※本記事はソフィ・バーナム (著), 柴田 幸裕 (翻訳) による書籍『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』から一部抜粋・編集しました。
仮の世に宿る永遠の愛
9月19日
エレノア、お元気ですか。
数年前、わたしが82歳のときのことです。自分よりも年下の男性に恋をしました。どうしようもないほど激しい恋でした。正確な年齢差は22歳です。正直に言えば、この恋愛を少し恥ずかしく感じてもいました。というのも、たとえ相手が60代であっても、高齢女性が美しい年下の男性に心惹かれるのは、やはりどこか世間には見苦しく映るからです。でも、2年以上もの間、わたしたちは安らぎとは無縁の激しい恋に身を任せていました。人生はまるで10代の頃のように魅力的に思え、と同時に先の見えない不安なものとなりました。
恋をしていると、すべてが新鮮で美しく感じられます。心がまるでつま先立ちするかのように浮き立つのです。そして恋をするのに18歳も80歳も関係ありません。毎朝、目を覚ますと、今日はどんな一日になるだろうと胸を弾ませていました。生きている実感がありました。
老いとセックス、それはとても大きなテーマです。この話題にここで触れるのは少し早いかもしれません。いえ、もうこのまま触れずにおくかもしれません。わたしたちの恋は2年で終わりを告げました。まるで最初からそう決まっていたかのようにです。別れたあとの1年間、わたしはほとんど毎日悲しみに浸って生きていました。今は気持ちが落ち着いています。でも、時折、あのとき脳にほとばしっていたドーパミンとノルアドレナリンが感じられず、落ち込みます。今のこの気持ちは、単にこのところ少し落ち着かず、心が満たされていないだけなのかもしれません。それでも、あのときわたしは確かに恋をしていました。あの人のことを思うと、再び手を触れることがなくても幸せな気持ちになれます。
今は、ありがたいことにおおむね元気ですし、何よりも(多少の痛みは別として)大きな苦痛は感じることなく過ごせています。でも、もう激しい恋はしていませんし、心が浮き立っていたあの歓びの日々がやっぱり恋しいのです。
これって年齢は関係ありますか? 恋が終われば誰だって気持ちが落ち込むものではありませんか? 愛する相手を失ったときには、こんな気持ちになりませんか?
先日、わたしたちは街角でばったり出くわしました。心があの人に向かってぱっと舞い上がり、あの人の美しい容貌と優雅な身のこなしに見とれてしまいました。目が合った瞬間、あの人が今でもわたしを愛してくれていると直感しました。疑いの余地などまったくありません。わたしは今も愛されているのです。わたしたちは短い言葉を交わし、指先がかすかに触れ合い、そして別々の方向に別れていきました。
その日一日、わたしは夢見心地で、あの人のことを思い返していました。ふたりはやり直せるでしょうか? 今度こそうまくいくでしょうか?

