夜中に突然襲ってくる、ふくらはぎの激痛……。「こむら返り」は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)がけいれんを起こし、強く縮んだまま戻らなくなってしまう状態です。その気になる原因について、足専門の整形外科医・北城雅照先生は「血流の悪化と、筋肉のセンサーの誤作動」だと指摘します。そこで今回は、数多くの足の悩みに向き合ってきた北城先生の新刊『足の名医がついにたどりついた こむら返りと手足のつりリセット法』(アスコム)をもとに、こむら返りの原因や予防法、そして血流を改善して“つらない体”をつくるヒントをお届けします。「また今夜も起こるのでは……」という不安を解消し、朝までぐっすり眠れる毎日を取り戻しましょう!

※本記事は北城 雅照 (著) による書籍『足の名医がついにたどりついた こむら返りと手足のつりリセット法』から一部抜粋・編集しました。

「睡眠の質の低下」が引き起こす恐ろしい未来

夜の熟睡を妨げる、筋肉のつりと鋭い痛み。

この「こむら返り」に悩まされる方は、年齢が上がるほど増えていきます。

ただでさえ、年齢を重ねるにしたがって眠りが浅くなっているのに、こむら返りの痛みで何度も起こされていたのでは、なかなか疲れは抜けないでしょう。日中の集中力も落ちてしまいます。

当院に来られる方にも、 「また今夜も痛みで起こされるかも……」という不安で、さらに眠りが浅くなってしまう悪循環にお悩みの方が少なくありません。

この、こむら返りによる「睡眠の質の低下」は、単なる寝不足の問題だけではありません。じつは、認知症の発症リスクを高めることさえあるのです。どういうことか、簡単に説明しましょう。

まず、私たちの脳内では、眠っている間に「アミロイドβ 」という特殊なたんぱく質が血液中に排出されています。通称は、 「脳のごみ」。この物質は、脳にたまると、健康な神経細胞にまとわりついて悪さをし、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めることが明らかになっています(※)。

ただし、アミロイドβは健康な人の脳にも存在する物質で、通常であれば短期間で分解・排泄されていきます。ところが、睡眠の質が低下すると、じゅうぶんに処理されずに、脳にたまってしまうのです。

あなたが抱えているこむら返りの問題を、「たかが」で済ませるわけにはいきません。

健康を害し、長期的には脳の機能にも影響を及ぼす可能性があるこの厄介な痛みから、多くの人を解放したい──。

そんな願いを込めて、私は本書の「こむら返りリセット法」を考えました。

片足30秒のシンプルなメソッドながら、その効果は絶大で、こむら返りの改善や予防だけにとどまりません。

血流の悪さに起因する、さまざまな症状にも効果があります。

冒頭ではその内容を簡潔にお伝えするにとどめましたが、ここでは正しいやり方や注意点、さらに効果を高めるポイントまで、しっかりとお伝えしていきます。

(※)出典:理化学研究所