「認知症の義父の介護のために義実家に通う妻。義父は妻と同居していると思い込み、妻を帰してくれません。妻が深夜に帰宅する日が増え、私たち夫婦は半別居のような生活になってしまいました。そんなある日のことです。介護疲れが続いていた妻がふと漏らした一言...。私はどうしても聞き流すことができませんでした」

「私、もう...」え、今なんて言った!?

義父が寝入るのを待ってからでないと帰宅できないのです。

私はいつも1人で夕食を摂るようになり、まるで別居状態です。

「ただいま」

「お疲れ」

「今日は、〇〇さん(私のことです)はまだ帰ってこないのか、とか言い始めて...もうすっかり同居していることになっちゃってるわ」

すっかり疲れ切った顔の妻にかける言葉もありません。

入浴を済ませ、短い夫婦の時間、お茶を飲みながらため息ばかりです。

「ほんとに参っちゃう。でも心配は募るばかりだから、行かないわけにもいかないし...」

「そうだなあ、毎日こう遅くなるんじゃ、仕事にも差し支えるなあ」

「いっそ実家で暮らした方が楽かも...」

妻の何気ない一言に「え?」と聞き返しました。

「いや、だからね、実家で暮らしちゃえば少しは楽になるかなあって」

義父の勘違いを本当にしてしまおうっていうこと? 

お茶をすすっている妻の顔を見ながら、今さら同居か?と、戦々恐々とした気分です。

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