「難病を患いながらも弱音を吐かず闘病を続けた父。父を献身的に介護した母。しかし、母が腰を痛め、介護が難しい状態になってしまいました。そして、父も末期がんを宣告され...。いつもお互いを気遣ってきた両親にも、ついに別れの時が...。父が最期に母に見せた『思い』とは?」

父の死は悲しい。でも胸がいっぱいに...

直腸がんが原因で大腸、肺にも転移していて、余命3カ月の宣告をされました。

そんな時でも父は母を心配し「途中で転んだりしたら大変だから、お母さんはお見舞いに来なくていいよ」と母に言っていたのです。

それでも、兄と私が交代で母を連れて病院に行くと、とても嬉しそうにしていました。

日々意識が混沌としてきて、だんだん喋ることもままならなくなっていた父ですが、うわ言でも母の心配をしていました。

緊急入院をしてから12日目に病院から父が危篤との連絡を受け、母を連れて病室に向かうと、苦し気に呼吸をしているだけの父がいました。

みんなが声をかけても反応はありません。

しかし母が声をかけると、かすかに指が動き、最期は母の顔を見て息を引き取りました。

後から兄に聞いたのですが、亡くなる5カ月前、父は自分の寿命を感じていたのでしょうか、母のことを兄に頼むと言っていたそうです。

あらためて父の母への強い愛情を感じました。

父の死は辛く悲しいですが...父と母の夫婦の愛情に、哀しみとは別に胸がいっぱいになりました。

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