令和に人気の「レコードプレーヤー」。即完売の「サウンドバーガー」と「チェキ」に共通する魅力

「平成レトロ」なエコでエモい文房具がヒットの予感

書店の文具コーナーを見ていると、他にはないイラストのデザインで目についた商品群がありました。

それがプラスから発売されている「COE365(コエサンロクゴ)」です。

2022年2月に第1弾としてルーズリーフバインダーや修正テープを発売。23年2月には第2弾としてエコ対応紙ケース入り修正テープ、3色ボールペン、消しゴム、携帯はさみの4製品を発売しました。

最大の特徴は、パッケージに大きく描かれた学生時代の懐かしい風景のイラストです。

それぞれ「放課後の教室」「わたしの机の上」「朝の通学電車」「帰り道の口実」「雨の日の帰り道」などのタイトルがつけられていて、商品の外箱などにあるQRコードを読み取ると、それぞれのイラストのイメージに合ったサウンドが聴けるという仕掛けが施されています。

加えて、再生プラスチックや古紙を使うなど全商品が「エコ」にも配慮している点も見逃せません。

商品コンセプトは「エモい」と「エコロジー」を合わせた造語「エモロジー」。

誰もが学生時代に一度は経験するであろう情景をイラストにして、懐かしいという感情を刺激するエモいサウンドをリンクさせる「イラストから音が聞こえてきそうな文房具」という世界観です。

ネーミングは、ECOという文字を組み替えて、365日の音という意味を持たせたものだといいます。

今までにない商品ということで、当初、量販店などのバイヤーに受け入れられず店頭に並べてもらえる店も少なかったそうです。

しかしECサイトで予想以上に売れたことから風向きが変わり、リアル店舗でも取り扱う店が増え、ヒット商品になりました。

今後ますます「平成レトロ」に「エモい」と感じる世代が増えてくるでしょう。

そこにヒットの芽がある可能性が高いです。

 

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。数多くの企業の広告制作に携わる。東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC 賞など受賞歴多数。現在は、広告制作にとどまらず、さまざまな企業・団体・自治体などのブランディングや研修のサポー ト、広告・広報アドバイザーなどもつとめる。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』(いずれも角川新書)、『キャッチコピー力の基本』(日本実業出版社)、『江戸式マーケ』(文藝春秋)、『売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!』(SB 新書)など多数。

※本記事は川上徹也著の書籍『高くてもバカ売れ! なんで? インフレ時代でも売れる7の鉄則』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。
PAGE TOP