高齢者が増える一方の現代社会、さまざまな介護用品が市場に出回っています。でも「どんな意図で作ったのか」「使ってみて実際どうなのか」が分からず、購入に迷っているかたや、ユーザーの意見を知りたいかたも多いのではないでしょうか。
そこで「毎日が発見」編集部がオススメしたい介護グッズをピックアップし、製品開発者の思いなどを紹介します。今回は介護シーンに欠かせないからだふきを取り上げます。
入浴ができないときや汗をかいたときなどに、使い捨てのからだふきはとっても便利。いまや医療や介護のシーンに欠かせないアイテムとなりつつあります。でも数枚で拭くのではなく、できれば1枚で済ませたいもの。そこでご紹介したいのが「アテントからだふき」です。1943年に創業し、ティッシュペーパーや紙おむつ、新聞用紙など、さまざまな紙製品を作っている総合製紙メーカー「大王製紙」が考案しました。
アテントからだふき 30枚入り398円+税(参考価格)
肌が弱い人を配慮してヒアルロン酸などを配合
製品化に着手したのは、介護施設から使い捨てタイプのからだふきが欲しいといわれたことがきっかけでした。直接介護施設に行き、必要な大きさ、使い方など、どのようなものを求めているのか細かな部分まで聞いたそうです。そこで縦横各30cmの大判サイズにしたのに加え厚手にして、1枚で全身が拭けるよう使いやすさを追求しました。また、体が不自由な方は敏感肌の人が多いので、肌に負担がかからないように、パラベンやアルコール、香料を不使用にしたほか、保湿が保たれるよう、「ヒアルロン酸」「アロエエキス」を配合しました。
厚手のうえ肌触りもよく、広範囲をしっかりふけるよう大判に。縦30cm×横30cm
紙自体に凹凸を施し、よごれをかきとれるよう工夫
汗などをただ拭くのでは意味がありません。そこで汚れをかきとりながら拭けるよう、紙自体に凹凸のある杉綾模様を施したそうです。また、2つ折りにして、パッケージからすぐに取り出せるように工夫しています。
実際に「からだふき」を試してみたところ、厚手のうえに大判なので、1枚で全身をふき取れたうえに、お肌がしっとりしました。
光にすかすと、杉綾模様が浮かび上がります
ふきとりぬれタオル、流せるおしりふきも展開
そのほかにも、体・おしり・手足の汚れなど幅広く使えるマルチタイプの「アテントふきとりぬれタオル」、おしりふき用の「アテントおしりふき」なども販売。「アテントふきとりぬれタオル」は、無香料、ノンアルコール、パラベン不使用で、保湿を考慮し、「ヒアルロン酸」「アロエエキス」を配合しています。「アテントおしりふき」も同様にパラベンとアルコールは不使用のうえ、「ヒアルロン酸」「アロエエキス」を配合。無香料とやさしい香りの2タイプをそろえ、使用後トイレで流せる材質を採用しました。また、片手で取り出せるパッケージになっています。
アテント流せるおしりふき 72枚入り 縦18cm×横20cm 398円+税(参考価格)
安心して使ってほしいから安全性を第一に設計
介護者、要介護者の方に安心して使ってほしい願いから「安全性」を優先に製品化。免疫力が低下している方は感染症を起こしやすいので、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌などの菌種が繁殖しないよう、細心の注意を払って設計しています。
日常生活の中でも、入浴ができないときなどに使用すれば、体を清潔に保てそうですね。
「肌の弱い人が安心して使用できるよう"肌へのやさしさ"にこだわりました」
ヘルスケアマーケティング部の大蔵孝浩さん(写真右)と商品開発部の丸井和人さん。
取材・文/中沢文子 撮影/吉澤広哉