高齢者が増える一方の現代社会、さまざまな介護用品が市場に出回っています。でも「どんな意図で作ったのか」「使ってみて実際どうなのか」が分からず、購入に迷っているかたや、ユーザーの意見を知りたいかたも多いのではないでしょうか。そこで「毎日が発見」編集部がその製品を体験! 実際に使ってみてどうだったか、また製品開発者の思いなどを紹介します。今回は洗髪できない方のためのドライシャンプーを取り上げます。
◇◇◇
環境汚染対策からヤシの実油を使った商品を開発
人と地球にやさしいヤシの実油を洗浄成分に使った "ヤシノミ洗剤"を御存じの方、多いのではないのでしょうか? この洗剤は、1970年代、河川に石油系の洗剤が流れ込んで汚染されたことをきっかけに、「サラヤ株式会社」が開発しました。洗った後の排水が環境にやさしいことにこだわったといいます。
以降、「肌にやさしい、環境にやさしい」をコンセプトのもと、洗剤やハンドソープ、ヘアケア、ボディケア、介護用品などさまざまな商品を作っています。
洗髪できない方のためにドライシャンプーを考案
福祉施設や病院などから、入浴や洗髪できない方へ向けたすすぎのいらないシャンプーの要望があり、サラヤ株式会社では「サラヤドライシャンプー」を開発しました。安全性を配慮し、洗浄成分はヤシ由来のグリセリンなどから作った植物性に。頭皮と同じ弱酸性なので肌にやさしいうえ、食品・食品添加物に含まれる成分を使用しています。長期間洗髪できない方へ配慮し、パラベン・着色料は一切不使用。また頭皮をいたわる成分として甘草エキスを配合しています。
サラヤドライシャンプー(200ml)1,150円(税抜き)
飛び散らず使いやすいよう泡タイプに
使用時に衣服や床に飛散せず、使いやすいよう泡タイプにしました。また、容器も安全性・廃棄面を考え、エアゾール缶ではなくプラスティックのフォームポンプなのも特徴。シトラスノートがほのかに香る微香性で、洗った後にさっぱりするよう工夫しました。
使い方としては、頭の下にビニールシートなどを敷き、お湯で絞ったタオルで頭部を蒸らします。次にドライシャンプーを適量手に取り、マッサージ。くしなどで髪をとかし、お湯で絞ったタオルで汚れをふき取るのみの手軽さです。
実際に使ってみると、泡がやさしく頭皮がスッキリしました。
泡状なので飛び散ることもなく使いやすい。
そのほかにも敏感な肌をいたわる商品を販売
ドライシャンプー以外にも、お肌にやさしい商品をそろえています。まず泡タイプのボディ用薬用洗浄料「プライムウォッシュ」です。15種類のアミノ酸(保湿成分)や、肌荒れを防ぐ抗炎症成分を配合。弱酸性のなめらかで濃密な泡が特色です。使い方としては、プライムウォッシュで洗浄後にすすぎを行い、水分をふき取ります。さらに肌の乾燥や刺激から守るクリーム「プライムモイストコート」もおすすめです。しっとりとした潤いを適度に残し、敏感なお肌を保護。消臭成分を配合し、無香料、無着色、防腐剤フリーとなっています。
(写真左から)プライムウオッシュ薬用洗浄料(200g)830円(税抜き)、
プライムモイストコート(120g)1,115円(税抜き)
「洗髪できない時に、このドライシャンプーが役に立てば幸いです」
東京サラヤ株式会社 メディカル事業本部の根岸憲一さん。
取材・文/中沢文子 撮影/吉澤広哉