43歳女性が、15歳年上男性との長い不倫関係を終わらせた「残酷な現実」

意地悪な解釈過ぎるだろうか。

ただ、たとえその推測が当たっていたとしても、彼女を責めるつもりはない。どんな恋愛も、別れの理由は様々にあるが、結局はひとつに行き着く。

気持ちが離れた。
それだけである。

そしてこの明快な結論こそ、恋愛のもっとも正しい終わり方でもある。

だから、これでよかったのだと彼女には言いたい。

が、その前に、ちょっと彼の妻側の立場にも立ってみる必要がある。

世の中の妻たちは、彼女のような女、つまり面倒なところは妻に押し付けて、恋愛という美味しいところだけ味わう女を嫌悪するはずだ。妻側になってみればもっともな話である。

夫が格好良くいられるのは、妻が身の回りを整えているからであり、外でバリバリ働けるのも、子育てや家事など生活の多くを妻が担っていたからである。

彼の妻は、本当に夫の長年の不倫に気づかなかったのだろうか。気づかなかったのなら、それに越したことはないが、ふとこうも考えてしまう。

妻もその時を待っていたのではないか。夫が恋人に去られた時、自分も夫から去る。もしくは、夫が定年を迎えたら、何もかも清算し離婚する。つまりそこで立場を逆転させることができるのである。夫にとっては、もっとも恐ろしい結末だろう。

もっと言えば、恋人であった彼女に対しても、何らかの報復を考えているかもしれない。

今の彼女は、彼と別れて落とし前をつけたと思っているかもしれないが、妻にしたらこれからが始まりなのである。

そうなった時、
「あんな恋愛をした私は何て馬鹿だったのだろう」
と、唇を噛むか、

「あの恋愛があったからこそ今の自分がある」
と、納得できるか。

この恋の本当の意味を知るのは、きっとこれからだ。

 

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※本記事は唯川恵著の書籍『男と女 恋愛の落とし前』から一部抜粋・編集しました。

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