静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。月刊誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「初秋を知らせる花たちは ...」をお届けします。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年9月号に掲載の情報です。
発芽したばかりの初々しい苗。これから半年かけて育て、花を咲かせます。
庭にいる時間が心地いい9月。
夏の間、じっと静かに咲く準備をしていた花たちが、次々に蕾(つぼみ)をほどいて庭の色を塗り替えていきます。
花期の短いものもあって、それは秋の風が通り抜けるようにぱっと姿を見せて、ぱっといなくなる...。
時間が限られているからこそ魅せられるのかもしれません。
里山の景色のように、花のお膳を
秋の彼岸の頃に咲く彼岸花。名前に"秋"がつく秋明菊や秋海棠。
そして、夏の名残の芙蓉や槿...。
どれも風情にあふれて大好きです。
丸い敷板は大きなすし桶のふた。
裏返したら脚付きのお盆のようになりました。
秋の庭景色を眺める一方で、来年の春花の準備もスタート。収穫し、乾かしておいた一年草の種まきをします。
風に揺れる萩の吹き流し
窓辺に吊し、枝がゆらゆら揺れるのを楽しみます。色付いたローズヒップも添えて。
【9月の定番お椀】いわしのつみれ汁
まずつみれ作り。生のいわしの頭を落とし、手で開いてわたと骨を取り、包丁で軽くたたいてからすり鉢ですります。さらに塩少々と片栗粉を混ぜ込み、団子状に。できたら、鍋にかつおのだし汁を沸かし、つみれを加えて火を通しましょう。味付けは薄口しょうゆと日本酒、ひとつまみの塩で。仕上げに細切りのねぎを足せばできあがりです。すりおろしたしょうがをのせていただきます。
取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地