「片づけられない物」は「本質ボックス」にぶっこめばすっきり解決!?/発達障害の仕事術

pixta_3082547_S.jpg仕事や人間関係がうまくいかない...「もしかして自分は大人の発達障害なのでは?」と悩む人が増えています。しかし、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。

本書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』は発達障害の当事者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハック集。うつでもコミュ障でも、必ず社会で生き延びていける術を教えます!

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前の記事「考えがとっちらかったら...「大きな紙」に思いをぶつけて現状打開!/発達障害の仕事術(15)」はこちら。

 

発達障害の収納は、箱ひとつでいい

さて、くどいほどお話しする3原則。最も基礎になるのは「集約化(ぶっこみ)」であるというお話はすでにしましたが、この基礎を最も明確に用いた「片づけハック」がこの「本質ボックス」です。本質ボックスは、本質のあるボックスです。本質を入れることができます。本質が入っています。

あなたのお部屋には「行き場のない物品」が溢れているのではないでしょうか。例えば、引越しで家具を組み立てた後のドライバーセット。どこに置いておけばいいかよくわからないと思います。そして、あなたは思い立ってどこかにそれを収納し、二度と思い出しません。埋められたドングリは、時々芽を出して立派な爆弾に育ちます。「おいおい、あれがないと大変なことになるんだよ!」と言いながら部屋中を探し回った経験のない方はあまりいないと思います。

いざというときに必要な物がない。とても辛いことです。ええ、会社実印が契約当日見つからない。僕もそんな人生でした。ご融資いただく銀行の皆様に「ADHD」という概念を理解していただくのは難しいので、とても辛いことになりました。はい、そこで便利な概念が「本質ボックス」です。本質ボックスは、100均ショップなどで購入することができます。

サイズは任意です。アクリル製でもダンボールでも、適当な箱を1個買ってください。行き場のない物品はとりあえずその中にぶっこんでおけばいいのです。使い終わって「どこに収納しようか?」と思ったら、本質ボックスにポーンです。

使用頻度の低い、居場所の定まらない物品は全てこの箱の中に放り込む。たったこれだけのことで生活が劇的に変わります。ちなみにこの命名は、この本を書くきっかけにもなった、大変重い発達障害と極めて高い知能を両立する方によるものです。「まさしく!」と思ったものです。とにかく、買ってぶっこめ。溢れたら整理しろ。それだけのことで、世界はとても大きく変わります。「本質ボックスの中にはある」という安心感は他に代え難いものがあります。

 

本質ボックスが増えてしまったらどうする?

なおこのハックにはひとつ欠点があり、「本質ボックス自体が増えて本質を失う」という現象が起こりがちです。

僕のツイッターフォロワーが「本質ボックスです」とアップロードした写真には、10 個を超える本質ボックスが写し出されていました。

これは大分本質を見失っている可能性があります。もう少しで本質ルームになってしまう。本質ルームは典型的な発達障害者の部屋ですが、ここまで大きくなると本質は失われてしまいます。本質にはサイズ的な制約があるのです。もちろん、その制約は個人差があります。

僕の場合、本質ボックスは3つです。それぞれの箱には「雑多」「仕事」「貴重品」と書かれています。「雑多」は最もサイズが大きく、「仕事」はそれに次ぎます。ドリルとか電ノコとかクランプとかが入っています。会社を経営していると必要になりがちですよね。

「貴重品」は小さめの箱で、さすがにこればかりは部屋のちょっとわかりにくいところに隠してあります。

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サイズ的制約がないのであれば「部屋の中にありさえすればいい」ということになるので、このハックは不要になりますよね。しかし、あなたの部屋には小型ブラックホールがいくつか存在しているはずです。そいつらに大事な物品を吸い込ませないための本質ボックスです。

 

使う頻度の高い物は「聖別」しよう

さて、「本質ボックス」は使用頻度の比較的低い物を収納するためのハックでした。では、使用頻度の高い物はどうすればいいでしょうか。

これについては僕もほんの数カ月前まで確定的なハックを出せずにいました。ジッポーライターも電子煙草もどこかに消えてしまう。万年筆もすぐに神隠しに遭ってしまった。それは仕方ないかな、100円ライターを使えばいいかな、と思っていました。アイコスは諦めるかな、ボールペンは安いのを使うかな......と。

しかし、これには例外があります。僕には「普段から持ち歩くが、そうそう紛失はしない物」が2つあるのです。「財布」と「スマートフォン」です。かばんを丸ごと紛失したことはあっても、僕はこの2つを紛失したことはありません。これは、冷静に考えるととても不思議なことです。使用頻度が高いのだから、紛失頻度も一番高いのが妥当なはずです。

この点についてツイッターに書いてみたところ、第n回緊急ADHD会議が持たれ(実にしばしば持たれます)、結構多くのADHDに共通する現象であることがわかってきました。「確かになくさない物品がある」という声が多数寄せられたのです。

この現象について僕は「聖別」という名前をつけました。よくわからない理由でとにかく他の物品とは違う位階を与えられた物があり、その数には個人差がある、と。僕は2つですが、3つ以上の人もいました。「車の鍵はなくさない」という人もいました。ちなみに僕はなくします。バイクの鍵が見つからないから電車で出かけるというのは、とてもよくあることです。

 

次の記事「「my神棚」へお供えすれば細かい物だってもう失くさない!/発達障害の仕事術(17)」は近日公開。


借金玉(しゃっきんだま)

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。


 

『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』

(借金玉/KADOKAWA)

社会生活がうまくいかず苦しむ「大人の発達障害者」が増えていると言われる現代日本。発達障害によって30歳を前に人生をほぼ破たんさせかけた著者が、試行錯誤で編み出した「発達障害者のため」の今日から使えるライフハックを多数紹介! 仕事や人間関係がうまくいかない全ての人のための「日本一意識が低い」自己啓発書です。

この記事は書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』からの抜粋です
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