その不調の原因、たんぱく質の不足かも? 年齢を重ねるほど重要になる「たんぱく質の摂り方」

いつまでもイキイキと輝き続けるためには、元気な体が基本。体を作り、 整える「たんぱく質」をしっかり摂って、心身ともに健やかを目指しましょう! 今回は、ひめのともみクリニック院長の姫野友美先生に「たんぱく質の摂り方」をお聞きしました。

【前回】心身ともに健やかに過ごすために「これだけは覚えておきたい高たんぱく食材」

どうしてたんぱく質が必要なの?

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筋肉をはじめ、内臓や骨、血液、皮膚、髪、爪など、私たちの体のほとんどはたんぱく質が土台となってできています。

また、体を整えるために働くホルモンや、免疫機能の維持にもたんぱく質が欠かせません。

その上、体を動かすエネルギー源としても使われている大切な栄養素です。

年齢を重ねるとたんぱく質の必要量は上がります。

たんぱく質の必要量は、体格や活動量で異なります。買い物や、時々軽い運動などを行う人の場合、1日に必要なたんぱく質の量は体重1kg当たり約1.0gが目安になりますが、低栄養やフレイルを予防するためには、下記の目標摂取量を目安にしてください。


1日当たりのたんぱく質目標摂取量
50~64歳   68~98g
65~74 歳   69~93g
75歳以上    62~83g

※厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より。身体活動レベルが普通の女性の場合(通勤、買い物、家事、軽いスポーツができる程度)。


たんぱく質不足は全ての不調の元に

「爪が弱ってきた、疲れやすくなった、思考力や集中力が低下した、わけもなく不安になる。これらはみんなたんぱく質不足が原因かもしれません」と、姫野友美先生。

皮膚や髪、爪、骨、血液、内臓など、体を構成する細胞一つ一つは、みんなたんぱく質からできています。

ですから、不足すれば、細胞がしぼんで肌はガサガサ、髪はパサパサ、爪も弱くなるのです。

「生体機能の調節にも欠かせません。例えば感情や気分、睡眠に関わるホルモンもたんぱく質でできています。集中力、判断力など脳の機能にも重要な役割を果たしており、認知症予防にも欠かせない栄養素です。実は薬もたんぱく質に結びついて体の中で運ばれるため、たんぱく質不足では十分に効果を得ることができません」

たんぱく質が足りているかどうかは、血液検査の数値でも分かります。

「最も分かりやすいのはアルブミン値。4g/dl以下はたんぱく質不足です。たんぱく質は体にためることができませんので、日々取り入れることが大切です」

たんぱく質の効率的な摂り方を知り、いくつになっても元気な心と体を保ちましょう。

1食当たり約25g、摂れていますか?

低栄養やフレイル予防には、1食当たり25gのたんぱく質摂取を目指したいところ。

普段の食事に食材をプラスしたり、おかずを替えるだけで、たんぱく質の量はアップできます。

●献立の内容は、一般的な食事に合わせて編集部で提案・作成したものです。
●1食当たり25gの数値は、「女性の1日のたんぱく質目標摂取量」に合わせた目指したい数値となります。

その不調の原因、たんぱく質の不足かも? 年齢を重ねるほど重要になる「たんぱく質の摂り方」 2301_P011_01.jpgたんぱく質量の内訳:米粉パンのトースト6.4g 、目玉焼き6.1g 、レタスとトマトのサラダ0.9g、ヨーグルト3.6g、コーヒー0.3g

その不調の原因、たんぱく質の不足かも? 年齢を重ねるほど重要になる「たんぱく質の摂り方」 2301_P011_02.jpg

たんぱく質量の内訳:米粉パンのチーズトースト10.5g 、目玉焼き6.1g 、ツナサラダ6.6g 、キウイヨーグルト4.6g 、コーヒー豆乳3.9g

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たんぱく質量の内訳:焼きビーフン11.4g 。豚ばら肉40g使用の例。野菜もたっぷりで一見、バランスが良さそうです。

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たんぱく質量の内訳:さけ入り焼きビーフン20.3g 、ブロッコリーと季節野菜・ひよこ豆のコンソメスープ4.1g、冷奴5.5gその不調の原因、たんぱく質の不足かも? 年齢を重ねるほど重要になる「たんぱく質の摂り方」 2301_P011_05.jpg

たんぱく質量の内訳:ご飯3.8g 、わかめと玉ねぎのみそ汁1.9g 、肉じゃが13.6g 、たくあん漬け0.2g

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たんぱく質量の内訳:もち麦ご飯4.2g、豆腐入りみそ汁3.0g、さば塩焼き13.4g 、肉じゃが(半量)6.8g 、ほうれん草のおひたし2.2g

取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/カトウミナエ

 

<教えてくれた人>

ひめのともみクリニック院長
姫野友美(ひめの・ともみ)先生

東京医科歯科大学卒業。心療内科医、医学博士。ストレスによる病気・症候群などに関するコメンテーターとして『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)などテレビや新聞・雑誌等で活躍。著書多数。

この記事は『毎日が発見』2023年1月号に掲載の情報です。

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