毎年「元旦に届くように......」と早めに年賀状を書き始めて準備を進めるものの、師走の忙しさに追われて気付けばもう年末。「年賀状はいつまでに出せば元旦に間に合うのかしら」と焦っている人も多いのではないでしょうか。大切な新年のご挨拶なので、できれば元旦に間に合うように投函したいですよね。
2023(令和5)年の年賀状は、2022(令和4)年12月25日までに投函すれば、基本的には元旦に間に合います。だからといって年賀はがきの受付開始前に投函してしまうと、通常のはがきと同じ日数で配達され、年内に届けられてしまうため注意が必要です。
そこでこの記事では、年賀状はいつからいつまでに出せばいいのかといった疑問をはじめ、年賀状を出すのが遅くなったときの例文や書き方、年賀状を出す際の基本的なマナーなどを解説します。自分はもちろん、年賀状を受け取った相手も新年を気持ちよく過ごせるよう、マナーを守って年賀状を出しましょう。
【2023年の年賀状】いつまでに投函すれば元旦に間に合う? 基本マナーも合わせて解説
2023年の年賀状を元旦に届くようにするには、2022年12月25日(日)までに投函しなければなりません。
それ以降は1日でも過ぎてしまうと、元旦に間に合わない可能性があります。
なお、年賀はがきの投函受付開始は2022年12月15日(木)です。
仮に、受付開始前の12月14日(水)以前に投函してしまうと、年賀はがきであっても通常の配達日数で年内に届けられてしまうので、15日を過ぎてから投函した方が良いでしょう。
受付開始に間に合わせるためにも、11月中旬には年賀状を出す人の住所を整理しておき、印刷を依頼する場合は12月の上旬くらいまでに注文しておくと、時間にゆとりをもって対応できます。
年賀はがきの受付期間中、ポストには通常の郵便物用と年賀はがき専用の投入口が設けられています。
年賀はがきを投函する際は通常の郵便物用ではなく、年賀はがき専用の投入口に投函するように注意しましょう。
万が一、間違えて投函してしまっても郵便局では仕分けをする際のチェックがあるため、通常の郵便物として配達することはまずありませんが、確実に元旦に届けたい場合は気を付けましょう。
■年賀状はいつまで出せるの? いつから寒中見舞いなの?
年賀状は基本的に1月1日~1月3日までの三が日のうちに相手に届けるのが理想的ですが、一般的には「松の内(1月7日)」までに届けば問題ないとされています。
松の内とは、正月飾りの門松を出しておく期間のことです。
松の内の期間は地域によって異なるものの、大きく分けると関東地方の1月7日までと、関西地方の1月15日までが一般的です。
あくまでも日付が基準となっており、曜日に左右されることはありません。
松の内の時期も過ぎた場合は、年賀状ではなく寒中見舞いとなります。
「寒中」とは二十四節気のひとつの期間で、小寒と大寒の間の期間です。
ちなみに、2023年は1月6日(金)~2月3日(金)までが寒中となります。
寒中見舞いは寒中最後の日であり「立春」の前日でもある、節分の2月3日までに届くように出しましょう。
知っておきたい年賀状の書き方や基本マナー
年賀状は、日頃お世話になった方へ新年のお祝いや挨拶をするために送るもので、日本人にとっては大切な習慣の一つです。
ところで、年賀状を送りあう習慣はいつから始まったのか、ご存じでしょうか。
実は年賀状の起源は、平安時代にさかのぼると言われています。
当時の貴族がまとめた手紙に関する文例集の中に年始の挨拶が記載されており、貴族の間ではこの頃から年賀状の習慣が始まっていたのではないかとのこと。
それが江戸時代には庶民に広がり、現代も続いている歴史ある習慣です。
ここからは受け取る相手に失礼のないように、書き方や基本的なマナーなどをおさらいしておきましょう。
■いつまでに年賀状を投函したらいい?
先述した通り、年賀状は松の内の期間内に届けば良いため、地域によって異なるものの一般的には1月7日(関西では1月15日)までに届けば問題はありません。
ちなみに一般的には、松の内までは年賀状に消印は押されません。
本来、消印ははがきや切手が不正に利用されないように押すものです。
しかし、一斉に年賀状が投函される時期のみ郵便局の負担を減らす目的で消印を省略しています。
松の内が過ぎた1月8日以降に投函した年賀状には、消印が押されます。
朱色で「年賀」と書いてあるはがきでも押されるため、送っていない方へ年賀状を返信する場合は、できるだけ早く対応しましょう。
■年賀状の宛名を横書きにすると失礼?
近年、年賀状には横向きのデザインのものが増えており、デザインに伴って宛名を横書きにする人も多いのではないでしょうか。
はがきは裏面と表面で縦書きか横書きかを合わせるのが一般的なので、横向きのデザインであれば宛名を横書きにしても間違いではありません。
送り先の住所にアルファベットで表記する部分がある場合は、横書きにした方が見た目もきれいになります。
しかし本来、日本語の正しい表記は右上から書き始める縦書きです。
そのため、目上の人に宛てた年賀状の場合は、風習や格式を重視して縦書きにした方が丁寧な印象になります。
中には横書きで宛名が書かれているのを見て、失礼だと感じる人もいるかもしれません。
年賀状のデザインが横向きの場合は、例えば上司や恩師、先輩などの宛名は縦書きに、友人などの親しい間柄の人の宛名は横書きにするなど、使い分けするのも良いでしょう。
宛名を横書きにする場合でも年賀状は縦の状態で書き、数字の部分は算用数字を使います。
■書き間違えたら修正液を使って訂正してもいいの?
結論から言うと、年賀状を書き間違えた際に修正液等を使うのはNGです。
何十枚と年賀状を書いていると、住所や一言を書くときにうっかり間違えてしまうこともありますよね。
すると「せっかくここまで書いたし...」と、修正液等で訂正してしまおうと考えてしまいがちです。
しかし、もしも自分が修正液で訂正された年賀状を受け取ったら、どのように感じるでしょうか。
新年早々修正した年賀状を目にしたら、良い気はしないという人が多いはずです。
年賀状は訂正せずに書くのが一般的な礼儀とされているため、訂正された年賀状は受け取る側に対して失礼にあたります。
書き間違えた際は書き損じはがきとして、郵便局で交換してもらいましょう。
書き損じた年賀はがきは所定の手数料を支払えば、間違えて購入してしまった未使用の年賀はがきであれば無料で交換してもらえます。
■年賀状に添える手書きの言葉は?
年賀状には、基本的に以下の要素が入るようにしましょう。
【1】新年を祝う賀詞
新年を祝う「あけましておめでとうございます」の言葉や、「謹賀新年」などの「賀詞」を入れます。
他の言葉よりも少し大きめに書くのがポイントです。
【2】昨年中の感謝・お礼などの言葉
「昨年中は大変お世話になり ありがとうございました」など、昨年お世話になった感謝や日頃のお礼、新年を迎えたことに対する喜びの言葉を書きます。
ちなみに、お付き合いに区切りをつけるという意味を連想させるため、句読点は付けない方が良いとされています。
【3】近況や抱負を伝える言葉
「家族も無事健康に暮らしております」などの近況や、「本年もご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」といったお願いの言葉を書きます。
【4】相手の健康、幸福などを願う言葉
この部分は年賀状の中で、特に大切な要素です。
「皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます」など、相手の幸福や健康、繁栄を願う言葉を書きます。
【5】年号・日付など
日付を書く際は「令和5年元旦」「2023年1月1日」など、年号と西暦、どちらでも構いません。
ただし「元旦」は、それだけで1月1日という意味を含んでいるため、「1月1日 元旦」と書くのは間違いです。
■年賀状に「忌み言葉」は避ける
新年を祝う年賀状には、縁起の悪い「忌み言葉」は使用しないようにします。
例えば、前年の感謝を伝える部分では、「去年は大変お世話になりました」など書いてしまいがちですが、「去年」は「去る」という言葉を連想させるため、「昨年」や「旧年」と書き換えます。
さらに「コロナ禍」の「禍」には「不幸を引き起こす原因」という意味合いがあるので、使わないように気を付けなければなりません。
その他、以下の言葉も避けましょう
・病む
・壊れる
・崩れる
・枯れる
・破れる
・衰える
・倒れる
・離れる
・切れる
・落ちる
・失う
・消える
・絶える
どれも近況を報告する際に使ってしまいそうな言葉ですが、他の言葉を使ったり違う表現にしたりしましょう。
■「賀詞」は相手で選ぶ
「賀詞」とは、年賀状に限らずに使われるお祝いの言葉のことです。
「寿」など漢字1文字のものから「あけましておめでとうございます」や「Happy New Year」といった文章のものまであります。
ちなみに、「寿=めでたい」「賀正=正月を祝う」「迎春=新年を迎える」「謹賀新年=謹んで新年をお祝い申し上げます」など、賀詞にはそれぞれ意味があります。
1~2文字の賀詞もよく見ますが、目上の方へ送る際は敬意に欠けるため不適切です。
賀詞は年賀状を送る相手に応じて適切なものを選ばなければならないため、4文字以上もしくは文章にするのがマナーです。
■出していない相手から年賀状を受け取ったらメールで返信するのはダメ?
自分は年賀状を出していないものの相手から届いた場合、急いで返信しなければと焦ってしまいます。
できるだけ早く返信するためにメールでの返信を考えてしまいますが、メールは基本的にNGです。
相手との距離感にもよるかもしれませんが、相手は気持ちを込めて年賀状を書いてくれたのですから、どれほど親しい間柄でもメールだけで返信することは避けた方が無難です。
できる限り、年賀状で感謝の気持ちを伝えましょう。
年賀状を返信する際は、年賀状をいただいたお礼と遅れたことに対するお詫びを伝えるのがマナーです。
賀詞や挨拶の他に「心のこもった年賀状をありがとうございました」「ご挨拶が遅れてしまい失礼いたしました」など、一言添えます。
上司や目上の方にはもちろん、友人や昔の友人に対しても丁寧に伝えるのがマナーです。
松の内を過ぎてしまった場合は焦るかもしれませんが、その場合は寒中見舞いを送れば問題ありません。
ただし年賀はがきを使って、寒中見舞いを出すのはマナー違反です。
官製はがきや私製はがきに「寒中お見舞い申し上げます」の挨拶とともに、お礼やお詫びの言葉を添えてしっかり返信しましょう。
■年賀状を出すのが遅くなったときのマナーは?
実家に帰省したり、旅行に行ったりしていて届いた年賀状を確認するのが遅くなってしまった...というケースもあるでしょう。
三が日のうちに送れるのであれば、通常の年賀状として出しても問題はありませんが、元旦に届くわけではないため「元旦」という言葉は入れられません。
三が日に間に合わない場合は、「年末の慌ただしさにまぎれ新年のご挨拶が遅れました」など年賀状が遅くなってしまったことに対するお詫びの言葉を添えます。
親しい間柄の場合は「年末から留守にしておりご挨拶が遅れてしまい申し訳ございません」といった文章でも問題ありません。
いずれにしても、あまり言い訳がましくならないように気を付けましょう。
なお、年賀状を年賀状で返信しなければならないというルールはないため、季節の挨拶として寒中見舞いで返信する方法も可能です。
寒中見舞いとして出す際も、届いた年賀状に対するお礼の言葉やご挨拶が遅れたお詫びの言葉を添えるようにします。
■喪中はがきを出し忘れて年賀状を受け取ったら? 「寒中見舞い」での返信も可能!
寒中見舞いは喪中でも出せる季節の挨拶状なので、喪中はがきを出し忘れて相手から年賀状が届いてしまった場合は「寒中見舞い」での返信も可能です。
相手が喪中の場合でも、寒中見舞いなら出すことができます。
そのため、こちらが喪中であることを知らずに年賀状を送ってきてくれた相手には、季節の挨拶状として返信しても良いでしょう。
寒中見舞いに限らず、暑中見舞いなど季節の挨拶状には年賀状と同様に句読点を用いないのがマナーです。
その代わりに、本来句読点を使う部分は1文字空けるようにすると読みやすくなります。
変わらぬ関係を築くためにも、心を込めた「年賀状」を送ろう
年賀状は1年の始まりに、自分の近況を知らせたりお世話になった方へ感謝の気持ちを伝えたりする大切なものです。
基本的な書き方やマナーを守り、相手が快く受け取れるような年賀状を送りましょう。
特に年賀状として送れる期間や賀詞、避けるべき言葉などは間違いやすいので、注意しなければなりません。
また、「年賀状を出し忘れていた相手から届いた場合はメールではなく年賀状で返信する」、「出すのが遅くなった場合はお詫びの言葉を添えて返信する」、「時期によっては寒中見舞いにする」などもポイントです。
年賀状はこちらの気持ちがしっかり相手に伝わるよう、心を込めて送ることが大切です。