夏の疲れを癒してくれる! 家で作れる「究極の秋の薬膳スープ」レシピ

料理研究家で国際中医師・国際中医薬膳師の石澤清美(いしざわ・きよみ)さんに、「夏から秋の症状に効くスープ」について教えてもらいました。

中国の長い歴史が育んだ中医学

西洋医学は、病気を診断し、薬を投与して治療しますが、中医学はその人の体質、普段の生活から病気にならないように予防します。

病気を治療するより、未然に病気を予防し、健康な体を作ることを重要視し、毎日食べる食材から体を整えるという考え方です。

薬膳とは?

薬膳というと、特別に薬効のあるものを使用しなければいけないイメージがありますが、私たちが毎日食している野菜、魚、肉にも薬効があり、これらの組み合わせで、いろいろな不調を和らげてくれます。

病気ではなく、体調不良のような状態のときに、体のバランスを整えてくれるのが薬膳です。

季節ごとに、食べたらよいものがあります。

これは、その季節が起こす体調不良の原因が違うからです。

中医学では、食事は薬のようなもの「食薬同源」といいます。

ねぎ、しょうが、にんにく

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体を温め、消化を助ける働きをします。温めることで気血を巡らせる助けにもなります。中でもねぎとしょうがは、風邪のひき始めの寒気を散らしてくれます。煮込んでも生を散らしてもかまいません。にんにくは、生では熱性が高く、刺激がありますので、具と一緒に煮込むのがおすすめです。

ナツメ、クコの実

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ナツメは消化を整え、気血を補う生薬の一つで、体力気力の回復に役立ちます。皮に薬効成分が多く、煎じたり、スープなどで煮込むのがおすすめです。寝つきが悪く、何度も目が覚めるようなときの精神安定にも働きます。クコの実も気血を補いますが、潤いをもたらす働きもあり、目の乾きや足腰の疲れに効果があります。

《夏から秋の症状に効くスープ》
夏に冷房の中で過ごしていたら、体の芯は冷え切っています。また、体内は潤いを欠き、胃腸が疲れている状態。このようなときに元気がでるスープを効能別に集めてみました。1回飲んだら不調が緩和するわけではなく、数日に1回程度続けて飲むことが大事です。

究極の秋のスープ

とろろ納豆のみそスープ

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1人分159kcal/塩分2.4g

材料(2人分)
長いも...100g
ひきわり納豆...2パック(100g)
細ねぎ...3本
(A)和風だし...300ml
(A)みそ...大さじ2


だしの取り方

いりこだし
煮干し20g は半分に割いて内臓を取り除き、昆布3cm(4g)と水1Lとともに鍋に入れて15 分以上置く。火にかけて煮立ったら弱めの中火にし、あくを取りながら7 分煮て、こす。


かつおだし
昆布7cm(10g)は2 ~ 3 等分に切って水1Lとともに鍋に入れ、30分ほど浸す。弱火で熱し、ゆらゆらしてきたら昆布を取り出し、削り節25g を加え、煮立ったら火を止める。削り節が沈んだら、ざるでこす。スープベースにするときは雑味がうま味になるので、箸などでぎゅっと押さえて搾るようにこす。

※どちらも、塩少々を加えて冷蔵庫で3日ほど保存できる。それ以上は冷凍する。


作り方
(1)長いもはすりおろし、納豆とともに器に入れる。

(2)細ねぎは小口切りにする。

(3) 鍋で(A)をひと煮立ちさせて(1)に注ぎ、(2)を散らす。

とろろ、納豆

夏の疲れを癒してくれる! 家で作れる「究極の秋の薬膳スープ」レシピ 2210_P049_02.jpg夏の疲れを癒してくれる! 家で作れる「究極の秋の薬膳スープ」レシピ 2210_P049_03.jpg

とろろの材料の長いもは、薬としても用いられる食材。疲れた胃を整え、疲労回復や滋養強壮に効果があります。夏の疲れ解消を目的にするときは、生食がいちばん。火を通さず、温かな汁を注ぐのがおすすめです。夏バテはとっくに解消! なら、加熱して召し上がってOK です。納豆は、消化を整え、元気を補う助けになります。便通の改善にも働くので、滞りを感じる方におすすめ。優秀な食材です。この二つの組み合わせは、究極! ただし、大豆は毎日食べたい、元気をくれる補気食材の一つですが、消化が悪く、おなかが疲れているときはおすすめできません。発酵させてみそや納豆にすることで、いつでもだれでもスムーズに消化ができる食材になります。

おなかを温める

サムゲタン風スープ

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1人分191kcal/塩分0.8g

材料(2〜3人分)
鶏骨付き肉(手羽元、手羽中、ぶつ切りなど好みで)...350g
もち米...大さじ3
しょうがの薄切り...2枚
長ねぎ...20cm
あれば長ねぎの青い部分...15cmほど
あればナツメ...1個
(A)水...600ml
(A)酒...大さじ1 
(A)塩...小さじ1/3

作り方
(1)鶏肉、洗ったもち米、しょうが、あれば長ねぎの青い部分、ナツメ、(A)を鍋に入れて火にかける。

(2) 煮立ったら弱火にしてあくを取り、ふたを2cmほどずらしてかけ、時々混ぜながら25分煮る。

(3)長ねぎは1cmのぶつ切りにし、(2) に加え、さらに5分煮る。

鶏骨付き肉、もち米、しょうが

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骨付きの鶏肉は薬膳スープの基本です。おなかを温め、気を補うので、体力の低下や食欲不振に効果があります。病後に最もおすすめのスープです。骨髄ごと煮出すことで体の根本を補います。もち米、しょうがも温めながら、気を補い、体の巡りをサポートします。

むくみをとる

小豆スープ

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材料(2〜3人分)
小豆...50g
豚肩ロースかたまり肉(ももでも可。バラは脂が多過ぎるので不可)...250g
にんにく...1片
セロリ...1本
(A)水...600ml
(A)白ワイン...大さじ1 
(A)塩...小さじ1/2 
(A)こしょう...少々

作り方
(1)小豆はさっと洗い、豚肉と鍋に入れる。

(2)にんにくは半分に切り、セロリは5mm角程度に刻み、(1)に加えて(A)を注ぐ。

(3)中火にかけ、煮立ったら弱火にし、あくを取ってふたを1cmほどずらしてかけ、小豆が柔らかくなるまで35分ほど煮る。

(4)肉を切って器に盛り付け、スープを注ぎ、あればセロリの葉のみじん切りを散らす。

小豆

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日本には解毒薬として伝わった小豆。むくみとりといえば小豆汁というほど薬膳ではおなじみです。特に下半身のむくみや胃もたれなどに効能があり、二日酔いの妙薬ともいわれます。温める力はあまりないので、冷えを感じる人はしょうがやにんにくと組み合わせます。ゆで汁に効能がありますので、ゆでこぼさず、洗うだけで煮込みます。

撮影/原 務 スタイリング/渡会順子 エネルギー計算/スタジオ食

 

<教えてくれた人>

石澤清美(いしざわ・きよみ)さん

料理研究家。国際中医師・国際中医薬膳師。米国Nutrition Therapy Institute(NTI)認定栄養コンサルタント。ハーバルセラピスト。テレビ、雑誌などで活躍。体に優しい、季節の食材を生かした家庭料理が得意。

この記事は『毎日が発見』2022年10月号に掲載の情報です。

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