老化スピードは食べているもので変わることを知っていましたか? 「一番お金も手間もかけずにできる老化対策が食事」だと美腸・美肌評論家として活躍する内科医の工藤あき先生は話します。その先生の著書『老けない人が食べているもの』(アスコム)から、老化を早める4大ポイント、その原因と対策をご紹介します。
【前回】赤ワインとともに食事するフランス人は心疾患で亡くなる人が少ない?/老けない人が食べているもの
足りないものはサプリメントでかしこく補う
バランスのとれた食事をめざすことがベストではありますが、サプリメントなどの健康食品を上手にとり入れるのもひとつの知恵だと私は考えています。
忙しくて食事がつくれず、外食やコンビニ食が続いたときや、ストレスや過労で疲れていて肌の調子が悪いときでも、無理して高い化粧品に飛びついたり、あせってエステサロンにかけ込んだりしないでください。
ちょっと立ち止まって、なにが足りないのか、なにを補ったらいいのかを考えてみましょう。
むずかしい栄養学は知らなくても、自分の食生活に足りないものを思い出して、それを補うサプリメントを食事にプラスすればいいのです。
「野菜やフルーツが足りないかな」と思ったら、ビタミンCのサプリを多めにとる、「お肉や魚を食べてない」ときはアミノ酸系のドリンクやビタミンBのサプリをチョイスする。
それもひとつの方法だと思います。
サプリメントはクスリ(薬品)ではなく、食べもの(食品)です。
朝食とランチ、夕食で足りないものをサプリメントで補うのは、けっして不健康なことではないと思います。
患者さんからも、サプリメントやいろいろな健康食品、機能性食品などについて質問されることがあります。
「あくまでも食事が基本だけれど、摂取量を守って経済的に無理しない範囲なら、サプリもOK」とお答えしています。
基本的に、私は患者さん自身が興味をもち、試してみたいと思ったものは、その人に害にならないものであれば否定することはしていません。
ただし、過剰摂取にはくれぐれも注意してください!
いくら栄養といっても過剰摂取すると健康被害につながることがあります。
特に、何種類ものサプリメントを常用しているような人は、飲み合わせに気をつけなければなりません。
ひとつのサプリメントには、メインでとりたい栄養のほかにも、いくつかの栄養成分が含まれています。
なので、種類を分けていたつもりでも、いつの間にかひとつの栄養素をとりすぎていた......ということもあり得ます。
なまじ効果を実感すると「もっと、もっと」となりがちですが、1日の目安量は必ず守るようにしてください。
簡単にできることを続けよう
食生活の改善といっても、なにから始めていいのかわからないという人こそ、この本で書いたような見た目の変化をきっかけにしてみてください。
健康診断の数値が悪化したり、病気になったりしない限り、自分の食生活のなにが悪いのか実感がないし、変えようという気持ちもあまり湧かないと思います。
そんなときは、見た目のちょっとした変化がいいきっかけになります。
「あれ? 最近しわが気になるな」とか「やけに肌が乾燥するな」などと感じたときに、食べているものに思いを巡らせてみる。
そんなところから始めてみてください。
ダイエットも運動もそうですが、なかなか結果が出ないと続けるのも大変ですよね。
食事を変えたからといって、1日、2日で見た目やからだが劇的に変化するわけではありません。
肌のターンオーバーも4~6週間かかるように、からだのなかから変えていくには、それなりの時間が必要です。
ですから、無理に変えるのではなく、できることから始めて続けていきましょう。
もちろん、医師の指導を受けているなら頑張らないといけないですが、そうでなければ、「気になることから」「できることから」でいいと思います。
全5章にわたって酸化や糖化など「老化を早める4大ポイント」ついて理由や食事改善などをわかりやすく解説