アミノ酸スコアの高いタンパク質とオメガ3系オイルがしっとり肌に導く/老けない人が食べているもの

老化スピードは食べているもので変わることを知っていましたか? 「一番お金も手間もかけずにできる老化対策が食事」だと美腸・美肌評論家として活躍する内科医の工藤あき先生は話します。その先生の著書『老けない人が食べているもの』(アスコム)から、老化を早める4大ポイント、その原因と対策をご紹介します。

【前回】健康な肌細胞の再生には血流などの体内の機能、栄養バランスが欠かせない/老けない人が食べているもの

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タンパク質と脂質が足りていない

肌の悩みごとのなかでも、非常に多いのが「乾燥肌」です。

空気が乾燥する冬場はもちろんですが、じっとりと湿度の高い夏場であっても、現代の住環境ではエアコンが効いている室内は乾燥していることが多いのです。

ソフトコンタクトレンズを使っている人が、目が乾いて不快だと感じるような環境では、肌も水分が蒸散してしまってカサカサになります。

でも、乾燥肌の原因は、それだけではありません。

食事のかたよりが、知らないうちに乾燥肌を招いていることも少なくないのです。

比較的、若い女性でも不足しがちなのが、「タンパク質」と「脂質」。

しっとり肌をつくるためには、皮膚の細胞の材料になる肉や魚、大豆製品などをたっぷり食べるとともに、肌のうるおいをキープするための皮脂の材料が必要です。

気をつけてほしいのは、ダイエットを意識して自己流の食事制限をしている人たち。

必要な栄養が足りなくなって体調をくずし、肌荒れを起こしてしまうケースが多いのです。

タンパク質は「アミノ酸スコア」に注目

では、ただタンパク質と脂質をひたすら補給すればいいのかというと、ちょっと待った、です。

より効果的に栄養をとるコツがあります。

特におすすめしたいのは次の2つ。

・アミノ酸スコアの高いタンパク質

・オメガ3系のオイル

アミノ酸スコアってなに? という人もいると思いますので、ここで解説しておきます。

アミノ酸スコアの高いタンパク質とは、簡単にいうと「質のいいタンパク質」です。

では質がいいとは、どういうことでしょうか。

そもそもタンパク質は20種類のアミノ酸でできています。

そのうち9種類は私たちの体内でつくることができず、食べものから摂取しなければなりません。

この9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。

これらのアミノ酸がないと、タンパク質はからだのなかでちゃんと働いてくれないんですね。

この食事でしかとれない必須アミノ酸がバランスよく含まれているのが、質のいいタンパク質。

そして、それをわかりやすく評価点にしたのが「アミノ酸スコア」です。

スコアが高いほど必須アミノ酸のバランスがいいことになります。

なんだかむずかしいと感じたかもしれませんが、実際の食品のスコアを見れば一目瞭然です。

たとえば鶏肉、豚肉、牛肉、アジ(生)、大豆、鶏卵などはスコアが100!

質のいいタンパク質です。

一方で精白米は61、パンは44と低いスコアになっています。

これらは、大豆製品や肉類などと一緒に食べることでバランスを整えるといいでしょう。

「オメガ3」は健康にも美容にも役立つ脂質

「オメガ3」とは、やはり体内でつくれない必須脂肪酸のこと。

脂肪というとネガティブな印象があるかもしれませんが、大事なエネルギー源ですし、バランスよく質のいいものをとれば、健康にもアンチエイジングにも役立ちます。

オメガ3は肌のターンオーバーを促したり、整腸作用があったりするので、肌トラブルを防いでくれます。

また血流をサラサラにしてくれる効果もあるので、動脈硬化や生活習慣病の予防効果も期待できます。

体内でつくられず、不足しがちな栄養素なので、肌や髪のうるおいがなくなったかも......と気になったら積極的にとってみてほしいと思います。

では、どんな食べものにオメガ3が含まれているのでしょうか?

代表的なものは青魚(アジ、サバ、イワシ、サンマなど背の青い魚)や、アマニ油、エゴマ油、ナッツ類などです。

オメガ3は熱に弱いので、魚も油もなるべく生で食べることをおすすめします。

ただし、どんなに健康によくても、とりすぎには注意です!

太る原因になりますし、下痢を起こしたりする危険があります。

ビタミンで効果をアップ

乾燥肌を予防して、しっとり肌をキープするためには、肉や魚の良質のタンパク質とツナ缶、サバ缶、エゴマ油、アマニ油などのオイルに加えて、各種ビタミン類を意識してたくさんとるようにしましょう。

まさに、からだの内側からお肌をうるおすインナーケアの知恵といえます。

〈主なビタミン類〉

【ビタミンA...レバー、うなぎ、アナゴ、青背魚、乳製品、卵、緑黄色野菜など】目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力を高める

【ビタミンB群...豚肉、レバー、卵、大豆製品など】タンパク質や脂質などの分解と代謝をサポートする

【ビタミンC...パプリカ、レモン、フルーツなど】コラーゲンの生成を促し、抗酸化作用を高める

【ビタミンE...ゴマ、アーモンドなどのナッツ類】しわやたるみの原因になる過酸化物質を分解する

細胞の再生を助けてくれる食べもの

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全5章にわたって酸化や糖化など「老化を早める4大ポイント」ついて理由や食事改善などをわかりやすく解説

 

工藤あき

消化器内科医、美腸・美肌評論家/内科医として地域医療に従事するほか、腸内細菌・腸内フローラに精通。「腸活×菌活」を生かしたダイエット・美肌・エイジングケア治療に力を注ぐ。「植物由来で内面から美しく」をモットーに日本のインナーボタニカル研究の第一人者として注目されている

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『老けない人が食べているもの』

工藤あき/アスコム

「むき卵肌ドクター」の愛称で親しまれ、美腸・美肌評論家としても活躍する内科医の新書。酸化や糖化、細胞のターンオーバーの乱れ、胃腸の不調という「老化4大ポイント」をわかりやすく綴っています。食事を中心に日常から取り組める老化対策のアドバイスも。

※この記事は『老けない人が食べているもの』(工藤あき/アスコム)からの抜粋です。

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