梅も青じそもこれからが旬。どちらも古くから日本の食卓に取り入れられ、高い栄養価で健康に貢献してきたなじみ深い食材です。梅は旬が短いので、冷凍しておくのもおすすめ。冷凍すると一年を通して好きなときに梅を使えます。今回は、管理栄養士で料理研究家の村上祥子(むらかみ・さちこ)さんに「梅肉エキスの作り方」を教えてもらいました。
【前回】旬の今こそ知りたい「梅と青じその健康効果」。疲労回復と食欲増進、免疫力のアップも!
【梅仕事】梅肉エキス
1kgの梅の果汁がわずか20gになるので、成分が凝縮されています。箸の先に少しつけてなめると胃腸の調子が整います。
青梅の汁を時間をかけて煮詰めた梅肉エキスは、とても健康効果が高いので、江戸時代には薬として用いられていました。
免疫細胞を活性化してインフルエンザや風邪予防の他、胃腸の働きも整えます。
梅肉エキスに含まれるムメフラールという成分は、クエン酸とともに血液が固まるのを防ぐので、日常的に摂っていると血行が良くなることが期待できます。
ほんの少量摂ればOKです。
材料(できあがり約20g)
青梅...1kg
作り方
(1)梅は洗って水分を拭き取り、竹串などでヘタを除く。
(2)種に沿って包丁で5~6回切り込みを入れる。
(3)種に沿って果肉をかき取る。
(4)果肉が約750g、種が約250gになる。種は梅しょうゆに利用する。
(5)フードプロセッサーにおろし刃をセットして果肉を3~4回に分けて入れ、ふたをしてスイッチを入れ、すりおろす。
(6)ボウルにざるをわたし、ふきんか絞っても破れないタイプのキッチンペーパーを敷き、梅を3回に分けてのせる。ふきんを寄せて搾る。
(7)梅の果汁約377g、搾った後の果肉約196gになる。果肉はジャムに利用する。
(8)ステンレス製の小鍋に梅の果汁を移し、ごく弱火で2時間30分加熱する。時間は木べらでときどき混ぜ、最後の30分はつきっきりで混ぜ、焦げつく寸前まで煮詰めて火を止める。果汁約377gが20gほどになる。
●酸が強いので煮詰める際はホーローかステンレス製の鍋を使用し、アルミ製は避ける。
※保存容器は完全に乾いた清潔なものを使用する。
取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景)