6月になり、さらには梅雨入りもした今日この頃。お店にはこの時期ならではの梅や氷砂糖など"梅しごと用アイテム"が、所狭しと並んでいます。ただ、興味はあっても、少し難しそうだからと敬遠している方もいると思います。『毎日が発見』2018年6月号では、冷凍梅と電子レンジを使って簡単にできる、"梅酢"の作り方や、この梅酢を使ったアレンジレシピ、さらには梅酢の梅を使って作る"梅ジャム"の作り方も紹介されているので、今回はこれらに挑戦してみたいと思います!
これからの季節に心強い"梅"
梅には、カルシウム・鉄といったミネラルや、β‐カロテン、ビタミンCなどが豊富に含まれています。また、梅の酸味の主であるクエン酸とリンゴ酸については、疲労回復や食欲増進、強力な殺菌・抗菌作用があり、これから暑くなる季節には心強い食材の1つです。ちなみに、今回使う"冷凍梅"については、梅を冷凍することで繊維が壊れ、栄養成分がそのまま漬けたときよりも多く抽出されると言われています。
では、次からはいよいよ、料理研究家・村上祥子さん考案の"梅酢"作りにチャレンジです!
冷凍梅を使った「梅酢」の作り方
<材料>(450ml分)
冷凍梅...100g
氷砂糖...100g
りんご酢...200ml
※梅を調理・保存する際は、容器はガラスやほうろうなど、酸に強い材質のものを使いましょう。アルミ製だとさびる可能性があります。
<作り方>
1、 砂糖、梅、酢の順に、瓶に材料を入れる。
冷凍梅は解凍する必要がなく、そのまま使えます。
2、 ふたをせずに、600Wの電子レンジで30秒加熱する。
3、 ふたをし、常温で12時間おけば完成。もし、氷砂糖が溶けきっていなければ、乾いた箸などで混ぜる。
出来上がりはこんな感じ!
冷凍梅と電子レンジで1日もかからずに"梅酢"が完成しました。生梅を使うと、洗って、アクをぬいて、乾燥させて...という梅の下処理だけで1日以上かかってしまいますが、すでに処理されている冷凍梅なら、飲みたい時にすぐに作ることができますよ。しかも、使わなかった分は、また飲みたい時に使えるので、1年中いつでも梅酢を楽しめます。
できたての梅酢原液を少しだけなめてみると、最初に酢のツンとした酸味がやってくるのですが、その後にふわっと梅の風味と甘さが広がって、短時間でできたとは思えない奥深い味でした。この梅酢は1日大さじ1~2杯を目安に、水や炭酸、お湯で割ったり、お茶や牛乳などに加えてもおいしく飲めますよ。常温で1年間保存可能です。
積極的に摂りたい"梅酢パワー"
もともと梅だけでも嬉しい健康効果があるのですが、梅と酢を組み合わせることによって、抗酸化作用や、さまざまな有効成分の吸収を良くしてくれる効果があります。そのほかにも、高血圧改善、がん予防、冷え性改善、疲労回復、肌荒れ予防、ダイエットなど、気になるいろいろな症状に対して効果を発揮してくれます。まさに、これからの季節に限らず、1年中積極的に摂りたいのがこの「梅酢パワー」です。そこで次からは、この梅酢を毎日の生活に取り入れるべく、料理研究家・村上祥子さん考案、梅酢を使ったレシピを2品ご紹介します。
梅酢レシピ1:野菜のおいしさが引き立った「梅酢おひたし」
<材料>(2人分)
キャベツ...100g
A 梅酢...大さじ1
しょうゆ...小さじ1
削りがつお...少々
<作り方>
1、 キャベツをポリ袋に入れ、600Wの電子レンジで2分加熱。水に取って冷まし、5cmほどの細切りにし、水けを絞る。
2、 ボウルに1を入れ、Aをかけて混ぜ合わせ、最後に削りがつおをのせれば完成。
気になるお味は?
1品目は、シンプルに梅酢を野菜に和えただけのおひたしレシピ。材料もかなり少ないですが、梅酢の酸味により、キャベツの甘さが引き立ちつつ、とてもさっぱりした味に。一度食べると、シャキシャキとした食感もよく、ついつい手がのびてしまう、クセになるおかずです。簡単に作れるので、おつまみにもピッタリですよ。
梅酢レシピ2:あっさりだけど満足感あり「ツナポテトサラダ」
<材料>(2人分)
じゃがいも...2個
ツナ缶(水煮)...小1缶
玉ねぎ...1/4個
きゅうり...1/2本
塩...少々
梅酢...大さじ2
マヨネーズ...大さじ1
<作り方>
1、 洗ったじゃがいもを皮つきのままポリ袋に入れ、口は閉めずに耐熱皿にのせて。600Wの電子レンジで6分加熱。竹串が通れば、水に取って冷まし、皮をむいてボウルに入れてつぶす。
2、 玉ねぎは薄切り、きゅうりは小口切りにし、ボウルに入れて塩をふり、しんなりしたらかたく絞って水けをきる。
3、 2をボウルに入れ、梅酢を加えて混ぜ、さらに1と汁ごとツナ缶を加え、マヨネーズであえれば完成。
出来上がりはいかに?
2品目は、いつものポテトサラダに梅酢を加えてみました。こちらも最小限の調味料、簡単な工程で作れるレシピですが、梅酢の酸味で全体の味が引き締まり、お店のような本格的なおかずに。まったりしがちなポテトサラダが、これは比較的さっぱりした味で、でも満足感があって、子どもから大人まで楽しめる一品です。
梅酢の酸味が少ない塩分でもおいしく感じさせてくれるので、減塩効果が抜群なほか、たんぱく質をやわらかく仕上げてくれる効果もあるそうで、本誌ではこのほかにも、ドレッシングに使ったり、肉や魚と煮込んだり、麺のつゆに使ったりと、幅広いレシピが紹介されています。
次回はこの梅酢の中に入っている、"梅酢の梅"を使った「梅酢ジャム」の作り方をご紹介します!
次の記事「この時期に嬉しい梅酢パワーがギュッ! 漬けた梅の実を使って「梅ジャム」を【作ってみた】」はこちら。
写真・文/JUNKO