寒い季節にだけ味わえるゆずと柿。かごで買ったけど食べ切れない、庭木にどっさり実った...そんなときはジャムがおすすめです。今回は、料理研究家でライフスタイルクリエイターの谷島せい子さんに「ゆずジャムの作り方」を紹介してもらいました。
ゆず
冷え予防にも
ビタミンCがいっぱい。皮には血流を改善し保湿力もあるリモネンも。
柿
カロテンの宝庫
食物繊維も豊富。免疫力アップになり、腸内環境も整えてくれる。
ゆずジャムには香りとほろ苦さを、柿ジャムには自然の甘味を閉じ込めます
お茶や料理のアクセントになるほか、プレゼントにしてもすてき。
保存食ですから、旬の栄養素もしっかり残ります。
「ゆずのような柑橘の果物は、皮や果肉を包む袋も使って、栄養を丸ごと摂れるマーマレードにしましょう。また、いまは糖分控え目が話題になる時代。ジャムは砂糖の量を控えて、果物の40%で作ります」
配分は方程式を参考に。他の果物にも応用できますから、試してみて。
谷島さんの柑橘ジャム方程式
柑橘 : 砂糖 : 果汁と水= 1 : 1 : 3
皮、袋、果汁も全部使って
鍋で煮るゆずジャム
ゆずを丸ごと使うマーマレードです。甘味と酸味を両方もっているので、加えるのは甘味の砂糖と果実の3倍量の水分(果汁含む)だけ。果汁が少なければ市販の果汁を足します。柑橘の果物は同じやり方でできます。
材料(作りやすい分量)
ゆず...2個(100g)
砂糖...100g
果汁+水...300ml
作り方
(1)鍋に湯を沸かし、ゆずを沸騰した湯で1分加熱して表面の汚れを取る。1分以上だと香りが飛ぶので注意を。
(2)(1)を水洗いし、半分に切って果汁を搾り、皮と種を分ける。袋は細かく刻むかフードプロセッサーにかける。
(3)(2)の皮を写真のようなざく切りに。搾った果汁は水と合わせて果実の3倍量(ここでは300ml)にする。
(4)材料を鍋に入れて強火にかけ、沸騰後アクを除き中火に。焦げないよう混ぜながらとろみが出るまで煮る。
【種はザルやお茶パックに分ける】
柑橘類の種にはとろみ出しの成分・ペクチンが豊富(皮にも含まれる)。写真のようなザルやお茶パックなどを使い、分けて煮ると、後で一粒ずつ取り出す手間が省ける。
(5)できたら密閉容器に移す。
ゆずジャム風味のかぶサラダ
白い冬野菜・かぶのサラダです。スライスして皿に盛り、オリーブ油、酢、塩、黒コショウ、ゆずジャムを、それぞれ適量ずつかけていただきます。塩味と酸味に、ゆずジャムの甘味が加わって、奥深い味わいです。栄養たっぷりのかぶの葉も一緒に。
ゆずが香る豚しゃぶ
細切りにして水にさらした長ねぎと、さっと火を通した豚肉(薄切り)を皿に盛り、ポン酢とゆずジャムをかけるだけ。同じように火を通した白身魚や鶏肉にもよく合います。作り置きのジャムは、こんな風に料理の仕上げにとても重宝します。
取材・文/飯田充代 撮影/齋藤ジン